接触者#03
「事が落ち着いたら一杯おごってくれよ。うまい酒が飲みたい」
「あ、あぁ! ぜひとも!」
「ところで、話は少し変わるが聞きたいことがある」
「私が知っていることなら答えよう」
隼人はダメもとで情報屋の事を訪ねる。
情報屋の存在を勝手に獣人だと決めつけていたが、人間だという可能性もある。
「情報屋…? そういう職業が存在しているのは知っているが、実際に見たことはない。この国にも少なからずそれを生業にしている者もいるだろうが、彼らは接触すること自体が難しいと聞く」
「わかったありがとう」
「待て。私は見たことがないといっただけだ。この仕事をしていると、そういう話は耳に入ってくる。町のメインストリートから外れた裏道にいると聞いたことがある。目立った看板もなくただの裏道らしいが、壁に小さくXの文字が刻まれていて、それを探していけば辿り着けるらしい。実際に私が見たわけではないから、ただの作り話かもしれないが」
「エックスの文字…ね」
隼人は兵団長と分かれたあと王宮へ向かう。
まずはクレリセッチが何を考えているのかを問いただす必要がある。
「いろんなことが起こりすぎているな」
このすべての元凶はクラウディアなのだろうか?
もちろん原因の一端を担っているのはそうだろう。
だがクラウディア側からすれば自分たちの立場の守るための行動だ。
クレリセッチからすれば国民を守るためのだろう。
どちらにも正義があるのは理解が出来る。




