表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
302/314

襲われたグライジェ#03

「窓は一つ。ここからミーナが抜け出して、俺を探しに来たってことだろうな」


 窓から見える景色は隣の建物の壁で、決して景色を楽しむための窓ではない。


 よくも悪くもまとまった調理場はどの位置からも、その全貌を確認することが出来る。


 水場に食器棚、テーブル、床下収納。


 狭い調理場を歩きながらその違和感の正体を見つけ出す。


「ここの棚とテーブルの位置だな」


 隼人がテーブルと棚を移動させようとした時、グライジェが隼人の名前を呼ぶ。


「どうした爺さん」


「お主が何に気付いたのか、それについては隠すつもりはない。ただ今はまだ、そのままにしてくれぬか」


「……わかったよ」


 隼人は触れていた棚とテーブルを元に戻し部屋へ戻る。


 しばらくすると、ミーナが医者を連れて戻りグライジェの手当てが行われた。


 骨が折れているところはあるものの大きな問題はないらしい。


「心配したよグラ爺!」


「すまんの」


「それで説明が出来ることはあるか? 襲ってきた奴らとの面識とか」


「詳しく話すことはできぬが、お主が気付ている通りじゃろう」


「旗を取りに来たってことだよな? なぜ爺さんが匿っているのかはこの際聞かないでおくが、機密に長けた爺さんが情報を漏らすとは思えない。どうなっているんだ?」


「この中の誰かが情報を抜かれたのじゃろう」


 ミーナがただ一人、話の状況についていけておらず疑問の表情を浮かべている。


「相当優秀な情報屋がいるってことだな。この場所も旗の事も抜かれているなら、また奴らは来るだろう」


「どこへ行っても危険なのは変わりがなかろう」


「とりあえず、ミーナだけでも安全な場所へいたほうがいいだろうな」


 グライジェは隼人の言葉に賛成を示すが、それを当然のようにミーナは反対する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ