打ち明けた真実#02
「冗談でこんな話はしないさ。ただ俺はこの世界を変えたくて魔王の名を名乗っている」
「どういうことか聞かせてもらえるか」
落ち着いた声で問うカイルの質問に答える。
「人間と魔族が共存できる世界を作るためだ」
隼人は話を始める。
自身が何故、魔王の名を名乗っているのか。
そしてこれまでの出来事、そして本物の魔王が復活している可能性があること。
「以上だ」
「話は理解できた。だが聞かせて欲しい。ハヤトは人間で魔族の肩を持つ理由はないはずだろう? それなのになぜだ」
「魔族はその見た目から、恐ろしいもので悪だと決めつけられている。人間にとっての異形は恐怖の対象でしかないからな。ただ実際は人間たちと変わらず、笑うし泣くしもちろん怒る。人間の事も魔族の事も、全部を知っているわけではないが、お互いが歩み寄ることで共存が出来るなら、それが一番いいに決まっている」
「絵空事だと。そう言いたいが、いいじゃないか。俺はそんな世界を見て見たい」
ガジットは笑顔で隼人の話に賛同をする。
その一方でカイルは少し考えた様子を見せた後に言葉を発する。
「ハヤトの様な魔王が居たら、俺は一族を違う形で守ってあげることが出来たのかもしれないな」
「今から守ってやればいい。そうだろ?」
「……そうだな」
「さて話は大体わかったところで、ハヤトのいう魔王が復活しているかもしれないということについてだが、カイルどう考えている?」
「可能性としてはありえるな。ベルンという男が魔王を倒してから数十年後に再び魔王は復活をした。その後、魔王は勢力を強めては10年周期で眠りに就いている。竜族のライカ、魂魄族のキストリン、蛇族のデューヌ、そして俺が最後の四天王として加わった。その後しばらくしてまた眠りに付いてからすでに10年は経っている」
「なるほど時間的には可能性としてありえるのか」
隼人はここで一つの疑問をカイルにぶつける。




