打ち明けた事実#01
「カイルが妹を探してた理由って何なんだ?」
「そんな特別なことじゃないさ。唯一の家族だからだ」
「なるほどな」
「そういえば…」
ガジットが思い出したように隼人に質問をする。
「ハヤトは冒険者なのか?」
「なんでだ?」
「単純な疑問だ。正直この問題に首を突っ込むメリットはない。興味本位ではないだろう」
隼人はここ数日の関りで、二人に対してはある程度の信頼を寄せていた。
隠す必要もないだろう。
「そもそも俺は国王失踪の真偽を確かめるためにこの国に来た」
「国王失踪?」
「あぁ、ここの国王が会合に姿を現していないという話を受けてな。その確認をしに来た」
「ハヤトはどこかの国の使者ということか」
「そんなのじゃないさ。ただ名乗りはそれ以上だが」
「名乗りは?」
「魔王」
少しだけ沈黙になったあと、ガジットが笑い始める。
それに対してカイルの表情は曇っている。
「魔王か! それは凄いな! なぜ魔王を名乗っているんだ?」
「事情はいろいろあるから省くけど、カイルは知っているかもしれないが、ベルザとライカと一緒に行動をしていた」
「懐かしい名前だ」
「今は事情があって別行動になってしまっているが、魔王を名乗り行動をしてきた」
「…冗談じゃないのか?」
先ほどまで笑っていたガジットも真剣な顔つきで隼人に質問をする。




