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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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四天王カイル#03

 人間と獣人の関係で問題があるとしたら、奴隷制度のことだよな?」


「ハヤトはどこまで奴隷制度の事を知っているんだ?」


「魔王軍幹部のカイルが、獣人族を人間の管理下に置くって書状を残したってのは聞いた」


「伝わり方としては間違っていないのかもしれないな」


「ただこの内容については少し疑問が残る。そもそもカイルは魔王軍の幹部じゃなかったが、魔王の下に行くときに当時の国王と盟約を結んだわけだろ? なんで自分たちの一族の立場が悪くなるような盟約を結ぶ必要があったんだ? 実際は奴隷制度の様な盟約じゃなかったんじゃないのか?」


「それは俺に聞かれても知らない。知っているのは当事者だけだ」


「……一族を守るためだった」


 それまで言葉をあまり発していなかったカムイが話を始める。


「人間の管理下に置く。この言葉だけ見れば、主従関係を申し出たように聞こえるかもしれない。そもそも魔王の下へ行ったのは、一族を魔王の手から守るためだった。魔王は人間に対して強い恨みを持っていて、力が整えば人間との争いをすぐに始めるつもりだった。そのために力を貸すように言われ、従わないなら一族を滅ぼすと、従う以外選択肢のない条件を突きつけられたんだ。人間の管理下に置くことで、他種族である獣人族は人間たちの争いの目から外される」


「それがいつしか捻じ曲がってしまったのか」


「初めからなのか、それはわからない。ただ人間の中には獣人族を嗜好する奴らがいたことも事実だ。その人間たちの欲を開放するきっかけになってしまったのだろう」


「当時の王ってルクア国王の前か?」


「いや、ルクアだ」


 カムイが話す時系列に疑問を抱く。


「すまない。少し混乱しているから整理をさせてくれ。魔王が眠りに就いたのはいつなんだ?」


「十年程前のことだ。俺も魔王のことは詳しくは知らないが、最初を除いて定期的に眠りについて力を蓄えているらしい」


「たったそれだけの月日で… 魔王は自ら眠りに就いているってことか?」


「人間の歴史書にも載っていたが、最初に現れた魔王を倒したのはベルンという男だったはずだ」


 カムイとガジットの話から魔王の事を改めて整理する。


 魔王は最初の眠りに就いた以降は、目覚めるたびに力を蓄えて再び眠りに就くというサイクルを繰り返しているということ。


 隼人はベルザが自分のことを魔王と呼んだことに疑問を抱くが、その答えを見つけるのは保留する。

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