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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.03~赤竜討伐編~
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グレイヴッツ

 白銀の体表はライカと同様、アークドラゴンということを感じさせる。


「随分と苦しそうだな? さっきまでの威勢はどうした?」


 グレイヴッツがライカの首を掴み持ち上げる。


「ぐぁ…」


「ライカ!」


「おっと近寄るなよ? 間違えて首の骨が折れてしまうぞ?」


 隼人とベルザの動きを制する。


「さて、ライカ。お前は過去に起こした記憶に蓋をされているようだ。このまま一思いに殺してもいいが、それじゃ面白くない。一体お前が何をしたのか、それを知り絶望する必要がある」


「がはっ!」


 ライカから吐き出される血が、グレイヴッツの顔にかかる。


「ベルザ、ライカは大丈夫なのか?」


「致命傷ではない… と思います。ただ安静にすることに越したことはありません」


 助けに行くにも行動を制限されているため、安易に動くことができない。


「この…っ!」


 ライカが力を振り絞って振りほどこうとする。


 ただ明らかな力の差の前にそれは敵わない。


「ふん」


 しかしグレイヴッツは手を離し、ライカを解放する。


「ごほっごほっ!」


「お前は生まれ持った力で一族を殺し、そのうえで守られ生きてきた。アークドラゴンで先天性をもって生まれたというだけの理由でな。俺もお前もアークドラゴン、竜族を統べる力を持っているのには変わりがない。だがお前は全てが許され、俺たちは許されたことはなかった」


「だから… なにを言ってるのか、さっぱりだって言ってんでしょ!」


 ライカが隙を見て攻撃を仕掛けるが、その前に蹴り飛ばされる。


「ライカ!」


「ドラゴンの瞳には特殊な魔力が流れている。その力を使えば、相手の精神を壊すことも簡単だ。もちろん、なくした記憶を呼び起こすこともできる」


 ゆっくりと歩みより、ライカの髪を掴んで顔を向けさせる。


「あぐぅ…」


「ライカ、お前の記憶の蓋を開いてやる」


 ライカとグレイヴッツの眼が合う。


 その直後、ライカは叫び声を上げたのちに意識を失った。

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