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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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脱獄の手引き#03

「どうだ? 監獄生活は?」


 考え事をしている間に対象の人物の前に辿り着いていたようだ。


 ガジットは親し気に声を掛ける。


「案外悪くはない。外ほど暑くもないからな。それで客人か?」


 姿を見せていない隼人に気付いていたようだ。


「客人かどうかは知らない。俺がただ連れてきただけだ」


「お前に付き合うとは変わった奴もいるんだな?」


「それで何かわかったのか?」


「あぁ、ゼロは白で間違いない」


「そうなるともう一人のほうか」


「考えたくはなかったが、その可能性が高いな」


「複雑だな」


 内容は理解できないが、あまり良い話ではないことは理解が出来る。


「割って入って申し訳ないが、あんたたちは何を調べているんだ?」


 ガジットは牢に入っている人物とアイコンタクトをとる。


「俺は別に話しても構わないと思っているが、お前はどうだ?」


「姿を見せない相手に何を話す必要がある?」


 ごもっともな意見だ。


 それに今の話の雰囲気的に情報を得る価値のほうが高い。


 別に姿を隠す必要性もないだろう。


「すまないな。これでいいか?」


 隼人はガジットの横に並び、牢の中に視線を向けると驚く。


 そこにいたのはつい数日前に出会ったカムイだった。


「カムイか?」


「こんなところで再会とはな」


「……なんだ面識ありか?」


「ハヤトには命を助けられた。なるほどな。ハヤトなら話しても問題はないだろう」


 そういうとカムイの口から簡潔に要点を抑えた説明を受ける。

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