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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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牢獄#01

「その用事は客人が一人増えても問題はないのか?」


「構わないぞ? 訳あり者同士だ」


 ガジットが部屋の奥に進んでいくのを隼人は付いていくと、その先は天井が高く開けた行き止まりになっていた。


「行き止まりだな」


「子供たちが立ち入らないようにしてある。隼人飛べるか?」


「飛ぶ?」


 ガジットは一足飛びに天井付近まで飛び上がると、暗闇で見えない場所に着地する。


「丁度この場所に足場がある。来れそうか?」


「飛ぶのは問題なさそうだが、暗いってのが難点だな」


「ここまで飛んで来れれば手助けをする」


 隼人は雷脚を使って飛び上がると、暗闇の中にガジットの姿を見る。


 ただ思っていた位置とは異なり、少し離れた場所だ。


「ガジット少し場所を空けてくれ!」


「わかった」


 隼人は空中で体を捻って調整をすると、天井に足を付きそのままガジットの場所へ向かう。


 着地地点は広くバランスを崩すことなく辿り着くことができた。


「器用だな」


「それほどでも」


 さらに奥に進んでいくと、奥に仄かな灯りを確認することが出来る。


「光?」


「ここらからは大きな音は立てないように気を付けてくれ」


 制されながら灯りに近づくと、穴が空いておりそこから下を覗くことが出来た。


 高さにして約15メートルぐらいだろうか。


 どうやらこの灯りは下から漏れたものらしい。

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