牢獄#01
「その用事は客人が一人増えても問題はないのか?」
「構わないぞ? 訳あり者同士だ」
ガジットが部屋の奥に進んでいくのを隼人は付いていくと、その先は天井が高く開けた行き止まりになっていた。
「行き止まりだな」
「子供たちが立ち入らないようにしてある。隼人飛べるか?」
「飛ぶ?」
ガジットは一足飛びに天井付近まで飛び上がると、暗闇で見えない場所に着地する。
「丁度この場所に足場がある。来れそうか?」
「飛ぶのは問題なさそうだが、暗いってのが難点だな」
「ここまで飛んで来れれば手助けをする」
隼人は雷脚を使って飛び上がると、暗闇の中にガジットの姿を見る。
ただ思っていた位置とは異なり、少し離れた場所だ。
「ガジット少し場所を空けてくれ!」
「わかった」
隼人は空中で体を捻って調整をすると、天井に足を付きそのままガジットの場所へ向かう。
着地地点は広くバランスを崩すことなく辿り着くことができた。
「器用だな」
「それほどでも」
さらに奥に進んでいくと、奥に仄かな灯りを確認することが出来る。
「光?」
「ここらからは大きな音は立てないように気を付けてくれ」
制されながら灯りに近づくと、穴が空いておりそこから下を覗くことが出来た。
高さにして約15メートルぐらいだろうか。
どうやらこの灯りは下から漏れたものらしい。




