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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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もうひとりの指導者#02

「クインが連れてきたのか?」


「うん、このお兄ちゃん困ってるんだって。リーダー助けてあげてよ」


「そうか。そしたら俺はこの兄ちゃんと話をするから、クインは外で遊んでくるんだ」


「えー! 僕も話をする!」


「もっと大きくなったら参加させてやる」


「むー! 絶対だよ!」


 そういうと来た道を戻っていくクイン。


 正直な話、ここにいてくれた方が助かると隼人は内心思っていた。


 沈黙が重たく空気を支配する。


「さぁ、目的を話してもらおうか?」


「なんのことだ?」


「話すつもりはないってことでいいか?」


「ちょっと待て。何を言ったら信じてもらえるか分からないが、本当に目的なんてない」


 どうしてこうも、この集落の獣人達は血の気が多いんだと呆れる隼人。


 確かに治安は獣人街に比べると悪いと今更ながら感じている。


「ならどうしてここにいる?」


「ここってこの場所ってことでいいんだよな? 俺だってあの子に連れて来られただけだ。好きで来たわけじゃない」


「では何故、人間であるお前がこの場所にいる?」


「それは話せば少し長くなりそうだ」


 隼人は顛末を簡単に説明をする。


 自分が何故この場所に来たのかを、少しだけ隠しながら。

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