なぞの女#02
「ほらほらぁ!」
「女ぁ! やめろって言ってんだろうが!」
ゼロは叫びながら女に殴りかかる。
その攻撃を鎌の柄で防ぐと驚いた素振りを見せる。
「へぇ~ この状況でよく私の場所がわかったね」
「俺たちは鼻が利くんでな。目でしか捉えられないあんたとは違うんだ。これ以上騒ぎ立てるようであれば、こちらとしてもタダじゃ済ませねぇ」
「どうするっていうの?」
「まずはその身柄を取り押さえて、地下へ監禁させてもらう」
「意外と紳士的なんだ?」
お互いが睨み合った状態だったが、女は鎌を下ろし戦う意思を放棄する。
「やーめた。挨拶はしっかりできたと思うし、また今度にするよ」
「ここで暴れないなら歓迎してやる」
まだ引かぬ砂煙の中を女は歩いて姿を消すと、ゼロは警戒を解く。
そして隼人がいる方へ声を掛ける。
「さぁ出てきてもらおうか?」
もう隠れているのはバレているようだ。
大人しく姿を現したほうが安全だろう。
「さすがに気づくよな?」
「どうして隠れていた?」
「話したほうがいいか?」
「自分が可愛いならな」
「歓迎はしてくれるのか?」
「それは答え次第だ」
隼人は一つ息をつくとゼロへと歩みを進める。




