思想#02
「そこの男には知られているなら、もう隠しても意味がない。そうだ王の2人を陥れた。もうこの国に王はいない。そして新しい王が生まれるだ。この国を変えてくれる王が!」
「家族を投げ打ってまでやることか?」
「…家族の幸せのためだ」
「なぜ、家族が幸せになれると思う? お前のいう新しい王はそれを叶えてくれるのか?」
「これ以上は話すことはない」
「だそうだ。どうするつもりだ?」
クレリセッチは怒りを浮かべているが、比較的冷静に話を始める。
「この者の極刑は覆ることはない。それよりもハビエル様の安否を確認せねばならぬ」
「俺もあたってみるが、すでにハビエルの消息が絶って日が経ちすぎている。いい知らせって訳にはいかないかもな」
「…覚悟しておる」
「(ついでに新しい王ってのも調べてみるか)」
隼人は男の話から、次の王を獣人族に仕立て上げることまでは予想ができてた。
ただ目的がわからない。
獣人街へ踏み入ったときも、確かに裕福な生活ではないかもしれないが、それに対して不満がある様には感じ取ることが出来なかった
それはミーナの姿を見れば納得もできる。
「(一体何の目的があって? その真意がわからない)」
獣人があの男に接触をした理由は?
なぜ国王を陥れるまでの脅威を奮う理由が生まれたのか?
国王が消えただけで、獣人が一国の王になれるのか?
詳しく探るためには、獣人街に身を落ち着かせる必要がある。




