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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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闇に堕ちる理由#01

「本当にいいんだな?」


「かまわぬ」


 隼人は黒剣を抜くと竜眼を使い澱みを見つける。


「クレリセッチよ。もしこれで儂が去るようなことがあっても、この者は不問にせよ。罪に問うことは許さぬ」


「……かしこまりました」


「じゃあいくぞ」


 集中を高めて正確に澱みを測る。


 国王は寝た状態であることから、斬ることはできない。


 そうなると貫く形で澱みを捉える必要がある。


「(澱みの根源はここで間違いない。核との距離は約2センチぐらいか?)」


 1つ小さく深呼吸をおこない、狙いを定めて一気に黒剣を突き刺す。


「うぐっ!」


「国王様!?」


「大丈夫、見た目ほど痛みもない。あるのは吸われる魔力の脱力感ぐらいだ」


 隼人は黒剣を抜き鞘に納める。


「確認できる澱みは消せた。恐らくこれで大丈夫だと思うが、体力の消耗が激しい。しっかり休ませる必要がある」


「助かったのか?」


「見た限りではな」


「……すまない。若き魔王よ」


「礼はいい。それよりも片付けないといけない問題はまだあるんだ」


 コンコンと扉がノックされ、外から兵士が声をかける。


「クレリセッチ様」


「どうした?」


「お取込み中恐縮です。件の者を捕らえました」


「わかった。すぐに向かおう」


「なんだ?」


「こちらも問題の一つが片付きそうじゃ。ハヤトよ付いてまいれ」

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