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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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王が王である所以#02

「それで核は蝕まれておるのか?」


「…いや、そこまで進行はしていない。ただ、あまりにも澱みが核に近すぎる」


 隼人が確認した澱みの根源は、ルクア国王の核のそばだった。


 生命力を奪っているのだから、だいたい想像は出来ていたことではある。


 もし澱みを消す際に核に触れてしまえば、ルクア国王の命の保証をすることはできない。


「それで、その方法を試す許可が欲しいと。そういうことじゃな?」


「助けるためにはこの方法しかない」


「許可する」


「は?」


 あまりにも迷いなく出された答えに驚く隼人に対して、クレリセッチは言葉を続ける。


「…そう判断ができれば何も困らぬだろう。お主を信用していないわけではないが、これは許可ができぬ。退任されたとはいえ、ルクア様はこの国を支えてきた国王なのだ。現にまだルクア様を崇める民も多くおる。それを命の危険性があるのをわかっていながら、許可はだせぬのだ」


「…そうだろうな。ただ、これ以外は現状助ける策がないのも」



「十分に理解をしておる。このまま待っておっても、たどり着く答えは決まっておるのだろう? それならリスクを負ってでも試すべきだと。それもわかっておるのだ」


 苦悩するクレリセッチの姿を見て、隼人はそれ以上の言葉を発しなかった。


「今日は帰ってもらえるか?」


「あぁ」


 隼人が部屋をあとにしようとすると、クレリセッチではない声に引き止められる。


「やってよいぞ…」


「国王様っ! 一体何を…!」


「どうせこのままでは滅ぶ身じゃ… それなら託しても良いじゃろう…?」


「ですが国王様」


「儂が良いと言っておる」


 隼人は静かに国王の側にもどり、改めて質問をする。

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