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王が王である所以#01
「用事も済んだ。今から王宮に戻るがミーナはどうする?」
「私は遠慮させていただきます」
「そっか。それじゃひとまず近くまで一緒に帰るか」
「そうですね」
隼人は街に向かって歩き出したが、そのあとを付いてくる様子がない。
「どうした?」
「…いえ、特には」
「それならいくぞ?」
「はい。 えっと…」
「そのうちその中は蒸し風呂みたいに暑さが充満するぞ」
「…残念です」
一緒に街まで戻ると別れて、隼人は再び王宮へ足を運ぶ。
クレリセッチを捕まえてルクア国王の部屋へ向かう。
「それで何かわかったのか?」
「一応な。ただこればかりは理解というか、俺の一存ですることができない。だから確認をさせてほしい
「確認?」
「国王を助ける方法が見つかった」
「誠か? それならさっそく…」
「ただ、ノーリスクじゃない」
「……聞かせてもらえるか?」
先ほど試した内容を話す。
黒剣で呪術を解術することができること。
それに伴うリスクも。




