ミーナとの再会#02
「おかえ…り…? あれ? なん… ハヤト…?」
「よぉ」
「ほれ、入り口で話とははしたない。奥へ入らぬか」
老獣人に急かされるように、先へ進むと入り口でも感じた通り、かなり広い居間空間が広がっていた。
そんな光景にふと疑問を呟いてしまう。
「ここって壁の中… だよな?」
「お主にどんな風に見えているか分からぬが、その感じたままが答えでよい。さて、ミーナよ。茶を入れてくれぬか?」
「う、うん」
そういうと更に奥へ姿を消したミーナ。
老獣人は適当な場所へ腰を下ろすと、隼人にも腰を下ろすようにいう。
机を挟んで対面へ座ると、そのままあたりを見渡す。
その行為自体が不躾だとわかっていても、今目の前にある光景が信じることができない。
入り口には隠蔽の魔法の類が施されていた。
その奥にここまで広い空間があると、上空から見た場合にはその存在の違和を覚えてしまうのではないだろうか?
そもそもなぜ、隠蔽してまでこんな場所に、この老獣人とミーナは身を置いているのだろうか?
様々な疑問が尽きない。
「儂らがなぜこんな場所に身を置いているのか、そしてこの空間にどうしても疑問が尽きないようじゃな」
「…すまない。気を悪くしたなら謝る」
「よい。それにお主は恩人じゃからな」
「恩人…?」
「お、おまたせ」
奥から戻ってきたミーナは盆に空のコップを2つと、急須に似た物を乗せている。
机の上に置くとコップに注ぎそれぞれの前に配膳をする。
コップからは湯気が登っている。
ミーナそのままその場に座り込むと、静かに待っている。




