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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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ミーナとの再会#01

 掃除も行き届いておらず、風で運ばれてきたのか、それともそこへ捨てられたのかゴミが散乱している。


 屋外であるのにも関わらず、埃っぽさを感じることができる。


「ここじゃ」


 老獣人は突如、壁の前に止まる。


 なんの変哲もないただの壁を見つめる。


「なにもないぞ」


「それは一点だけを見て物事を捉えるからじゃ。それじゃ獣人に侮辱を放った男と同じじゃぞ?」


「……なんでそれを知っている?」


「物事を捉えるときは視野を広くもつことで、本来見えるはずのものが見えるようになる。それは次第にすべてを見る力を与える」


「何を言っているんだ? 俺の質問に答えてくれ。なんでいなかったあんたが、ギルドで起こったことを知っているんだ」


「言ったじゃろう? すべてを見る力を与えると。まだお主には早い話じゃな」


 老獣人は壁へ向かってあるき出すと、そのまま壁をすり抜けて行く。


「は?」


 あまりの衝撃的な映像に情けない声を出す隼人。


 思考は今起きたことを理解できていない。


 そうしている間に、壁の中から老獣人が隼人を呼ぶ。


「何をしておる。早く入ってこないか」


 隼人は壁に触れようと手をのばすと、するりと壁の中に手が入り込む。


 すぐ両サイドは触ることができるが、どうやらこの一部だけの壁は実体がないようだ。


 思い切って壁の中に入り込むと、そこは普通の家のように空間が広がっていた。


 その様子に呆気に取られていると、老獣人は家の中に挨拶をする。


「帰ったぞ」


 すると奥から女の子の声がして、こちらの近寄ってくる。


 目の前に現れたのは紛れもなく白いワンピースを着たミーナだった。


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