拒む者たち#02
くそがっ! さっきから避けてばかりじゃねぇか!」
「何度も言うが俺は危害を加えるためにここにいるんじゃない。人を探しているんだ。争わなくていいならそれに越したことはない」
「うるせぇっ!」
「仕方ねぇな」
隼人は相手の攻撃に合わせるように居合を放つ。
相手の魔力を吸い取るには十分すぎる攻撃だ。
リーダーはその場で膝を付くと、震える手を見た後に隼人の方を振り返る。
「何をしたんだ…?」
「少しばかり魔力を吸わせてもらった。魔力が吸われた体はしんどいだろ?」
「魔力…だと?」
「どんな生物にも魔力は存在している。それが使えるかどうかは別問題だけどな。魔力は一般的に魔法に使われることが知られているが、体のバランスを保つために必要なものだ。その魔力を多少なり奪われたら、体もしんどくなるだろ。少しすれば回復するから心配はいらない。で、どうする?」
「くそっ!」
リーダーは諦めたように部下に攻撃をやめるように指示をする。
隼人もそれを確認して戦闘態勢を解除する。
「それで俺の話は信用してくれそうか?」
「……」
「そこは素直に返事してくれると助かるんだけどな。まぁいいか。初めから言っているとおり、俺は人を探している見かけたなら教えて欲しいんだ」
「……」
「うーん」
相変わらず返事もしない様子を見るに、最後の抵抗なのだろう。
決して口は割らず、仲間を売るような行為はしない。
そんな意志の表れだろう。




