ミーナという少女#01
「何かあるなら言ってくれないとわからないぞー」
「うぐ…… そうですね。わからないですよね。申し訳ないことに私の服が着ることができない状態なんです」
それはまぁそうだろうな、と心で思いながら話を聞く。
「ご好意で替えの服を準備してもらってはいるのですが、この服だと困るといいますか……」
一体どんな服を渡されたのかは分からないが、困るということはそういうことなのだろう。
すぐそばにいる受付の顔を見ると首を横に振り、実際に渡しているという服を見せてもらえうことができた。
無垢な白色のワンピースので特別問題があるようには思えない。
「これのどこが問題あるんだ?」
「服自体に問題があるわけではなく、できれば被るものが欲しいのです」
「帽子ってことか?」
「はい。ただここには帽子などはないそうで、困っているのです」
「そんなのいらないだろ?」
「必要なんです……」
隼人は小さなため息をつくと、少し待っていろ一言告げるとその場からいなくなる。
それから10分程度経っただろうか。
隼人は1つだけ帽子を買ってきたようだ。
「これでいいか?」
仕切りの間から中をみないように帽子を渡すと、それを受け取る少女。
「ありがとうございます! 藁のいい匂いがします」
「終わったら出てこいよ」
「待ってください! これで大丈夫でしょうか……」
中から白いワンピースに身を包み、麦わら帽子を被った少女が出てくる。
フードを被っていたときは分からないが、かなり可愛らしい顔立ちをしている。
こんな少女がサンドワームを両断したといっても誰も信じてくれないだろう。
「あまり見ないでください……」
「あぁ、悪い悪い。あんまりにも似合っていたからな」
「こういう服装することがほとんどないので恥ずかしいです」




