少女との出会い#03
「では町へ行きましょうか」
「そうだな」
ふたり並んで町へ向かうが少しずつ隼人の足並みが遅くなり、少しだけ距離が開き始める。
別に隼人の体調が悪いわけでも、少女の足が早いわけでもない。
「どうしました?」
「いや……」
「おかしな人ですね。体調が悪いならゆっくり戻ることもできますよ?」
「体調が悪いわけじゃないんだけどな」
「じゃあどうしたんですか? なにかあるなら言ってくれないとわかりませんよ」
「その…… 臭いがな?」
「………」
少しの沈黙のあと少女は口を開く。
「私は貴方の何倍も臭い思いをしているのですから、我慢してください。というのも可笑しい話ですね。ひとまず町へ着いたら汚れを落とさせてください」
町に着くと早々に町の入口で汚れを落とそうとしていた。
それだけではどこへ行っても門前払いされてしまうことは間違いないので、説得をしてギルドへ向かう事にする。
すれ違う人たちに嫌な顔をされながらギルドへ向かうと、事情を話して体を流させてもらうことができた。
初めは嫌がっており逃げ出そうとしていたが、渋々湯場へ向かっていった。
少女が戻ってくるまで椅子に座って今後のことを考えていると、ギルドの受付が隼人の元へやってくると付いてきてほしいと言い出す。
言われるがまま付いていくと、お湯の匂いがし始めたことで、自分がどこへ向かっているのかを理解することができた。
「連れてきましたよ」
「ありがとうございます」
「一体どうしたんだ?」
「少しお願いがありまして」
「お願い?」
「非常にお願いし辛いことではあるのですが、その……」
バツが悪そうに歯切れがない。




