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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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一人の王として#02

 次に視界が戻った時には二人の男以外はなにも存在しておらず、倒れている男に何かを語りかけていた。


『お前はいつか私を殺しに来るだろう。根絶すべき悪を滅ぼすため、生まれ持って課せられている使命を全うするため。お前が求められる世界なら、迫害されるのは私だけで済むだろう。共存共栄は叶わないが、私がお前の安寧を願うぐらいはいいだろう。強大な力を持つ二人が手を組んでいることを、この世界が望んではいないのであれば、その時が来れば私はその宿命を受け入れよう。そのために不都合な記憶は書き換えよう。お前と共に戦った軍勢は私によって壊滅し、お前だけが生き残ったそんな記憶に』


 男はその場から立ち去る際に落ちている一冊の本を手にすると、そのまま隼人が見ている景色も途絶える。


 次に視界に映ったのは先程までいた神殿の景色だった。


「戻ってきたのか…? 俺は、一体何を見せられたんだ?」


 隼人は見せられた光景の二人の男のことを思い出す。


 黒髪の男と金髪の男。


 一人はともかく、もう一人はどこかで見たことのあるような面影だった。


 遠目に見えるライカとカイオルの姿を見つけると立ち上がり、そこへ向かい歩き始める。


 隼人に気付いた二人は手を上げる。


「何食べてるんだ?」


 隼人はライカが口にしている物を見ながら聞く。


 見た目は蟹の肉のようにも見えるが、それはあくまで白く見えている部分だけで、匂いはそれとは全く違う。


「ハヤトも食べる?」


 提案される中、カイオルの顔を見ると横へ首を振った後にある方向へ顔を向ける。


 それに誘われるように見ると、脚がなくなった巨大な蜘蛛が奇声を上げながらこちらを見ている。


 それを見て隼人もライカが口にしている物が何かを理解する。


「慈悲の心はないのか?」


「それで、なにかわかったことはあったかい?」


 隼人はその場に座ると、見せられたことを全て話した。

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