戦争#01
「ひでぇな…」
隼人の見せられている光景は、惨劇を映し出していた。
突如現れた魔法使い。
そして魔法使いによりどこからともなく召喚された軍勢。
襲われる二人は傷を負いながらも、軍勢の屍を積み上げていく。
『なによコイツら… 化け物じゃないの… 一体どれだけ戦力に差があると思ってるのよ…』
『はぁ、はぁ! 生きてるかっ!?』
『私より、自分の心配をしたほうがいい』
『それにしてもどっからこんなに出てくるんだ』
『どうやら鎧に記されている術式で、転移させているようだ。恐らく、術式を付与された者達をあの女が呼び出しているのだろう』
『じゃあなんだ? いま俺たちが相手にしている敵は国か? なんでこんなことになっている』
『国だけで済めばいいのだがな』
ぐるりと囲む軍勢を一瞥しながら、少しでも自分たちが置かれている状況を分析するが、答えにたどり着くには情報が少なすぎる。
それでもわかっていることは、相手は本気でこちらを殺しに来ているということだけだ。
『ちっ! まだこっちの戦力はあるのよ! あんたたち行きなさい!』
魔法使いの指示により次々と立ち向かう軍勢。
あくまでも自身は前線に立つことなく、指示を飛ばすだけだ。
『一人はともかく、もう一人は人間でしょ? あれが人間の動きだって言うの?』
二人を遠巻きに見ながら、いつまで経っても倒れることない二人に怒りを覚える。
『さっさと倒しなさい! 相手は二人でしょう! 何をそんなに苦戦しているのっ!』
『ギャーギャーとうるさい女だな』
『あくまでも自身は前衛には出ないか。あの女をどうにか倒さないと、この状況は変わりそうにもない』
『そんなこと言ってもどうするんだ? こっちだって手一杯だぞ』
『……』
赤黒い剣を持つ男は少しの沈黙のあとに提案を行う。




