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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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喰らう者と喰らわれる者#03

「…殺さず脚だけをバラしたのかい?」


「動かなければなんだって一緒でしょ?」


 ライカは手に持った脚を地面に置くと、散らばった蜘蛛の脚を拾いに行く。


 それを見て、手に持った剣を収め続く。


 ライカはなにも気にをしていないようだが、胴体の近くの脚を拾いに行くと、蜘蛛が怒りの奇声を上げている。


 だが体を動かすことは一切できず、目の前で自身の脚が回収されていくのを見ているしかない。


「…君には同情するよ」


 そうこうしている内にすべての脚を回収し終わると、ライカは辺りを見渡しさらに何かを探しているようだった。


 直ぐに何かを発見したようでそこへ向かい、しばらくすると大量の布を手に帰ってくる。


「それは?」


「先駆者達の遺品。どうせ使い道もないしもらってきた。これをここにまとめておいてっと」


 まとめて置いた布に持ってきていた松明から火を移すと、勢いよく燃え始める。


「うん、燃やすものは沢山あるしこれで大丈夫」


「…本当に食べるつもりかい?」


「どうせハヤトもしばらく掛かりそうだし、ゆっくり調理でもしながら待てばいいよ」


「……ハヤトは大丈夫なのかい?」


 カイオルは宙に浮く本を目の前に座り込み、意識を失っている隼人を見ながら心配の声を漏らす。


 それに反してライカは目の前の蜘蛛の脚を火にくべながら、着実に調理を進めていく。


「心配しても仕方ないでしょ。それに、ハヤトならどうにかするでしょ」


「…そうか」


 カイオルは火を囲むように座り込み、少しの休息をとり始める。


 パチパチと蜘蛛の脚が焼ける音を聞きながら。

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