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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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喰らう者と喰らわれる者#02

「……」


「どうしたんだい?」


 ライカは手に持っている、蜘蛛の脚を見つめて何かを考えている様子だ。


「…あんた蜘蛛の脚って食べたことある?」


「へ?」


 突拍子もない質問に対して、変な声が出てしまったカイオル。


 どうしてそんな質問が来たのか意図もわからず混乱していると、ライカは言葉を続ける。


「見てよ、この脚。これだけ大きいなら、それを動かすための筋肉もあるってことでしょ? つまり、お肉が沢山詰まってるってことでしょ」


「うーん、騎士時代に行ったサバイバル演習の際に、昆虫を口にする機会はあったかな」


「それで味は?」


「しっかりは覚えていないが、想像していたよりも良いものだったことは記憶して…」


「美味しいってことじゃん! それがあと7本もあるってんでしょ? 最高にテンションあがる」


 カイオルが全てを喋り終わる前に、言葉を遮ってライカは目を輝かせている。


 そうこうしているうちに、体制を整え終えた蜘蛛が、こちらを再警戒しながら様子を見ている。


「そうと決まれば、サクッと食材集めしてくる」


 言い終わると同時にその場から姿を再び消すライカ。


 カイオルは言葉をなくし、ライカが消えたと同時に宙に浮いた脚を見つめる。


 そしてその脚が地面に落下する前に、再びライカは姿を現すと脚をキャッチする。


「流石に一人じゃ持ってこれないから、回収手伝って」


 そういうと蜘蛛の方を指差し、カイオルの視線を誘導する。


 視線を向けるとそこには手足が四方にバラバラに散り、身動きも取れない蜘蛛の姿がそこにあった。


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