混じらないモノ#02
『これは私たち人間が平和に暮らすための計画だ。誰一人として失敗、ましてや情報が洩れることすら許されないことだ。計画は最終段階にすでに入っている。それをくれぐれも忘れるな』
『それじゃー、僕は先に計画に移させてもらうよー』
『うむ、頼んだぞ』
『任せてー、任せてー。それにしても、信頼し合っている者同士が裏切られ、憎悪の表情を浮かべる光景を想像するだけで、興奮が冷めないよ』
そういうとまた一人その場から去る。
『あんな奴が同じ王だというのが信じられないね』
『では、解散だ』
王と呼ばれる者たちの会話が終わると再び景色が切り替わるが、今度は辺りは暗闇に包まれたままである。
「人間と魔物が交流をしている…? そうだとしたらあの会話はなんだ? 到底穏やかな会話には思えなかったぞ」
思考を巡らせているうちに暗闇が晴れ、次に映し出されたのは、赤く空が染まり、辺り一面が荒廃してしまった景色だった。
その中で銀色に輝く剣を握っている黒髪の男と、相対して赤黒い剣を持っている金髪の男の二人が立っていた。
『どうしても信用してはくれないか』
『何を信用しろっていうんだ? 俺の村が襲われた。その近くに落ちていたこれを見つけて何を信用するんだ?』
そういうとペンダント取り出し突き出す。
『それは少し前に無くした物だな』
『無くした? ならどうしてこれがあるんだよ!』
『………』
『なんか言えよ… 結局お前もそうだったんだろ? 俺たち一族が怖いんだろ?』
『違う』
『もういい』
銀色の剣を持った男が会話を遮り、剣を握りなおし構える。
もうこれ以上、会話を続けても無意味だというように。




