守護者に歯向かう者たち#02
「あんただけが高い場所で戦えると思うなよ」
「ライカちゃん! ダメだ!」
翼を出し飛び上がり追いかけるライカに対して、蜘蛛は的確に糸イボから糸を飛ばす。
判断が遅れたライカは避けることが出来ずに、捕獲され地面に張り付けにされる。
「なにこれ! 全然動けないんだけどっ!」
「大丈夫かい!」
「私の心配をする暇があるなら、あいつの脚の1本でも切り落として!」
「…わかった!」
台座に辿り着いた隼人は二人のやり取りを見届けたのちに、宙に浮かぶ本のような物を調べ始める。
「あんな状況だけど、あの二人なら心配はいらないだろう。さてと…」
宙に浮かぶ本に触れようと手を出してみるが触れることが出来ず、本が透き通ってしまう。
「触れないのか、それとも見えるだけど存在していないのか。」
本への意識を台座へ向けて、隅々を調べえていくと何かの文字が刻まれているのを見つける。
「なんだ… 知識に触れる者、その断片を刻め…? どういう意味だ?」
言葉の意味を考えていると、光が隼人を包み込み、とある景色を映し出す。
それは名も知らぬ街で人が往来し、賑わっている景色だったが、どこか古めかしい雰囲気を漂わせている。
触れることはできず、向こうも認識をしていないことから、これが見せられているものだということを、理解するのに時間はかからなかった。
隼人は往来する人の中に、一際目立つ人影を見つける。
それは明らかに人の姿をしておらず、魔物と呼ばれる存在だった。




