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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.08~聖遺物とキストリン~
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名もなき遺跡の守護者#02

「バッチリこの空間では魔力は使えないみたいだね」


「さて、ここの主に挨拶でもしにいくか」


 入口は空間に対して横に作られており、入って左に深く広がっている。


 視界が悪い中で頼みであるライカの魔力探知も使えず、手元にある松明だけが三人を照らす。


 通路なのか部屋なのかすらも判断することもできず、歩き出すと不気味に足音だけが響く。


 そのまましばらく進むと奥に青白い仄かな光が見え始め、近づくにつれその光は大きな広間を照らしていることに気付く。


「なんて広さだ」


「薄暗くはあるが、全く見えないよりは具合はいいか」


「ねぇあれ」


 ライカは何かを見つけて指をさす。


 その方向へ視線を向けると、台座のようなものがあり、その上で何かが浮いている。


 それが何かは全員が知らないが、予測は一致しているだろう。


「それっぽくはあるな。ただもっと厳重に封印がされていると思っていたんだけどな」


「楽に越したことはないと思うよ」


「それはそうなんだけどな」


 隼人はゆっくりと台座へと歩みを進めていく。


 あくまでも慎重に辺りを警戒しながら。


「ハヤトはこの状況をどう見ている?」


「俺か? そうだな、あまりにも無防備だとは思う。もしかしたら、何か特殊な封印が施されているのかもしれないけど、そうだとしても他に守りを置かないってのはどうかと思う」


「つまり他にも何かあるはずだ、と」


「守護者辺りが出てくるのが定番だと思ってるよ。例えば上からとか…」


 そう言いながら隼人に釣られて全員が上を見上げると、背後から何かが落下したような轟音が響く。

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