名もなき遺跡の守護者#01
それを見てカイオルは隣で壁に背中を預ける。
「安全を確保できるならそれもありかもしれないけど、下手をしたら死んでしまう」
「んー、ほら。ハヤトが得意な魔力の形質変化とかでさ、どうにかならない?」
「魔力か… ありえるな。ライカこの壁に魔力だけを流せるか?」
「何かわかったの?」
「あくまでも可能性だ。できるか?」
「それぐらいは簡単だよ」
立ち上がり隼人が指定する壁に手を付けて魔力を流し始めると、少しして壁が動き始める。
「動いた!?」
「どういうことなんだ?」
「さっきも言った通り可能性だったんだけどな。コウモリ系統の魔物やインプってのは魔力が他より多く持つ種族だろ? それなら物理的な仕掛けより、魔力を介した仕掛けのほうがありえるだろうってだけの話だ。ただ、ここまでして隠す先に待っている物って何なんだろうな?」
隼人が喋り終わると壁はその入り口を示し、さらなる漆黒の空間を生み出していた。
「それこそ聖遺物だろう?」
「こんなに禍々しい気配が聖なる物ってかなり皮肉じゃないか?」
隼人とカイオルは分かっていて会話をしている。
漆黒の空間の視界が届かない先に待っている、その何かの存在に気配で感じている。
「なるほどね。魔力探知でこの部屋だけなんで探知できないのか不思議だったけど、この空間自が強力な魔力妨害が施されているから探知できなかったんだ」
そういうとライカは人差し指と親指の間に雷撃を作り出すが、すぐに消えてしまうことを確認する。




