魔王復活#01
そんな中、ライカが感じたことを口にする。
「この城の下から、不自然な魔力を感じることができるよ。恐らく何かの封印術式が施されてるんだと思う。それとその鍵からも僅かにだけど、同じ魔力を感じる」
「ありがとう、ライカちゃん。そうこの城の最下層に、誰も知らない魔力で封印が施された部屋が存在しています。そしてその部屋の扉はこの鍵の魔力でしか開くことができません。かなり古い術式であることは間違いないですが、この長い時を経ても劣化することなく有り続けていることを考えると、相当高等な魔術師が施したものだと思います」
「その部屋にはもう入っておるのか?」
「勝手ながら。ですが、その部屋にあるのはゼロの魔術書と呼ばれる書物ではなく、ひと振りの剣が置いてありました。おそらくですが聖遺物の一つである、霊宝剣だと思います」
「れいほうけん…ってなんだ?」
隣に座るライカに聞こえるように小声で質問をする隼人。
その様子を見て察したのかカイオルが霊宝剣についての補足をする。
由来は多々あるものの、その剣は悪を払い富を招くと言われ、結婚や出産といった祝い事の際に贈られることが多い物のようだ。
ただその一部には神力を宿す物も存在しており、その力を宿した物を聖遺物と呼び、またその剣がこの城にあるということらしい。
先のゼロの魔術書も聖遺物の一つだと考えられている。
「ふむ。その剣がなぜ封印されておるのかは分からぬが、どこからか知り得た情報が間違って伝わり、此度の問題が起こったということか…。それにしても一体何者だったのじゃ?」
「魔族だと考えられます。もちろん、ハヤトとは全くの無関係であるのは間違いないですが」
「考えたくもないけど、魔王軍四天王のひとりデューヌが動いているって考えたほうがいいかも。話の内容と私が知っていることを合わせれば、もう間違いないとおもう」
ライカの発言により空気が一気に重たくなる。
「あと間違って欲しくないのは、四天王が動いたことが問題じゃないんだよ。四天王が動く事態が起こっているということが問題なの。これがどういう意味がわかる?」
「その可能性は俺も考えたが十分にありえる。そのことについてはカイオルにも既に話してある」
「一体なんの話をしておるのじゃ?」
三人を除いて理解をしていない者たちへライカが答えを示す。




