霊宝剣#02
「ハヤト。お前は魔力探知ができるか?」
「お生憎様だが、俺にはそのセンスがないらしい。頼むならライカの方がいいと思うぞ」
「ライカ、魔力探知をお願いできるかな?」
「あんたに呼び捨てされるの気に食わないけど」
少し怪訝な顔つきをするライカを見ながら、『ライカちゃんって呼ばれることも嫌がってたのに、どう呼ばれたいんだ?』と隼人は内心疑問に持つ。
「えっと、ライカちゃんと呼んだ方がいいかな?」
「あんたより年上ですけど」
この場にいる隼人を除いた全員が苦笑いをしながらやり取りを見守る。
このままでは埒が明かないと判断した隼人が横から割って入る。
「魔力探知をすることでなにかわかるのか?」
「あぁ」
「だそうだ。やってくれライカ」
「わかった」
隼人の言うことはすんなり聞くあたり、まだまだカイオルとの溝は深そうだと感じる隼人だった。
ライカが魔力探知を行うと首を傾げる。
「ねぇ、範囲はこの城でいいんだよね?」
「もちろん。そもそもそれ以上の範囲の魔力探知はできないだろう?」
「ライカがやろうと思えば、この街全体ぐらいは軽く探知出来ると思うぞ」
「この街全体って… 魔術師複数人でも可能かどうかのレベルを一人で?」
「魔術師複数人でするようなことを、たった一人でやってしまうぞ」
その凄さを理解できるのは戦いに身を置く者たちだけで、国王やアンジェリークなどはピンと来ていない様子だ。




