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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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新しい風#01

「皮肉なことに鬼よって大切な物を失った少年は、鬼の力を得て大切な物を守る力を得たんだ。アンベール、お前がその少年ならそんな力を受け入れるか?」


「…わかりません。ただ俺はその少年のように強くはいられないと思います。ですが、実際に同じ惨状に大切なものが置かれたとしたら、悪魔に魂を売ってでも守るための力を得るかもしれません」


「悪魔か。堕鬼も悪魔も似たようなモノだろうな。アンベール、強くなれ。お前はこんな程度で燻っていい人間じゃない。ハヤトに手合わせを願え。そして無いものを得るんだ。」


「…考えてみます」


 アンベールは静かに立ち上がり、部屋を出る前にひとつ質問を投げかけた。


「その少年を助けた人は何者なんですか?」


「弟子を取ることはなく一度教えを請うた相手には、最後まで面倒を見るお人好しだ。歳を重ねても見た目が変わることがないらしくてな、今はどこか静かな森の中でひっそりと過ごしているんじゃないか? それと、ハヤトからはその人と同じ雰囲気を感じ取ることができる」


「随分と近くで見てきたような口ぶりですね」


「聞いた話を客観的に当てはめた感想だ」


 アンベールは小さく頭を下げて部屋を出て行く。


 翌日から隼人はアンジェリークの紹介を得て騎士たちの稽古をつけ始める。


 もちろん突然現れて稽古をつけると言い出した人物が現れたのだ、騎士たちの中では大きな反対が生まれたがそれも時間の問題ですぐに解決してしまった。


 隼人に勝つことができれば稽古はせず、これまで同様に励んでいいという条件を提示したのだ。


 アンベールとの戦いを見ていた、一部の騎士たちを除いた者たちが挑むが全て惨敗に終わり、稽古を受けることになる。


 稽古には隼人だけが顔を出し、ライカはアンジェリークと姿を消してしまう。


 最初こそ文句を言っていた騎士たちだったが、二日目からは文句も言うことなく熱心に勤しみ始め、その稽古には一度騎士を抜けたクレムも参加を始めてた。


 どうやらカイオルから騎士団に戻るように言われたようだ。


「酒場への出勤は大丈夫なのか?」


 そんな冗談を投げかけてみると。


「もうあそこは俺の管轄から外れたよ」


 そう返事をして隼人の稽古を真面目に受けていたが、他の騎士たち比べるとやはり実力は抜きでており、主に隼人との実践形式での稽古中心となった。

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