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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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鬼を背負う少年#03

『だ、だれ!?』


 声が小さく聞き取ることができないが、この場所に自分以外の誰かが居ることに対する安心と、存在がわからないというそれに勝る不安が入り混じる。


 声に集中をするも、風で靡く葉音に邪魔をされ聞き取ることはできない。


 その中で少年は母親からの言葉を思い出す。

『祠の近くに隠れている時に、なにか声が聞こえても反応をしちゃダメよ。それだけは必ず守って。わかったら行きなさい』


 そしてその声が自分が聞いている声だということに、気がつくのに時間はいらなかった。


『(母さんが言っていたやつだ。この声に反応をしたらいけない』


『…けて…か?』


 声は少しずつだが、それでも確かにはっきりと聞こえてくる。


 そしてその声が何を伝えているのかわかった時には、少年はその言葉に反応してしまっていた。


『助けて欲しいか?』


『助ける…?』


『あぁ、助けてやる。祠を開けろ。俺が全て終わらせてやる』


 ダメだとはわかっていながらも、いうことを聞けば村が、両親が助かるという甘い誘惑を振り払うことができない。


 気付けば祠の小さな扉に手をかけていた。


『さぁ、早く開けろ』


『……』


『どうした?』


『ほ、本当に助けてくれるの…?』


『あぁ、本当さ。全て片付けてやろう』


『…わかった』


 躊躇しながらも手にかけた扉をゆっくりと開く。


 その途中で見えないはずの何かが、扉の奥で狡猾な笑みを浮かべる何かを感じ、本能で開けてはダメだと扉を閉めるが既に手遅れだった。


 僅かに空いた扉の隙間から飛び出した何かは、突風のように抜け出しいなくなる。

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