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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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アンジェリークの愉時#02

 アンジェリークが食いつくように、城内での宿泊を提案する。


 恩人だから手厚く持て成したいという思いが強く感じられるが、流石にそこまでの施しを受けるつもりもない隼人とライカは、それを丁寧に断る。


 しかし、その程度で引くほどアンジェリークは甘くなく、それならばと別の提案を行う。


「騎士たちに稽古をつけてください。その代わりにこの城を宿としてお貸しします。もちろん、美味しいご飯もついてきます!」


「なんだって俺たちが騎士の稽古をしないといけないんだ」


 呆れたように言葉を返す隼人に対して、アンジェリークの提案を推す人物が一人現れる。


「それはいい話だ。今の騎士たちには実践を含めた経験が足りない。ハヤトが稽古をつけてくれるなら心強い」


「なんでお前はいきなり俺を持ち上げるんだよ。そのもう片方の腕も折ってやろうか?」


「カイオルもそう思うでしょう!? それに稽古が終われば、精がつくようにお肉も沢山準備しますよ!」


「いや、俺はそんなに肉は…」


 言葉を遮るように隼人の肩に手を置き、振り向く隼人に笑顔を向けるライカがいた。


 その表情を見て何かを察するのだった。


「そこまでお願いされたらしかたないねハヤト。これはもう受けるしかないよね」


「とりえずその涎を拭きなさい。…はぁ、わかったよ」


「決まりですね! それでは明日からお願いします! お部屋はお貸ししている場所を使ってくださいませ。うふふ、やったー! それでは私は先に失礼しますね」


 楽しげに部屋を後にするアンジェリークだが、一体何が彼女をそこまで喜ばせているのだろうか。


 その答えはカイオルの口から紡がれた。


「国王様繋がりの堅苦しい来客ばかりだから、近しい年齢の来客が嬉しいのだろうな。気を張る必要もないから楽しいのだろう。少なくともアンジェリーク様は、お前たちのことは友人として思っているはずだ」


「…友人の頼みなら仕方ないか」

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