安息
体を起こすと頭がクラつくが、辺りを見渡しこの場所が城の一室であることを理解する。
「きもちわりぃ…」
気分は冴えなないが、戦闘におけるダメージは残っておらず受けた毒も影響は残っていないようだ。
身体を動かすことは問題がないように感じる。
部屋を出て左右を確認するも現在地はわからないが、案内されていた部屋でもないことはわかる。
「とりあえず… 賑やかそうな場所を探すか…」
場内は静まりかえっており、普段ならすれ違うであろうしようンとも会うことがない。
窓から見える景色は平和そのものだ。
城内の階段を三度下り、一階フロアにたどり着くと遠くで騒がしい声が聞こえる。
声の方向を頼りに進んでいくと、その場所がどの位置に当たるのかわからないが、扉を隔てた向こう側から声がする。
ゆっくり扉を押し開け覗くと、中では使用人が忙しなく動き回り、そして長蛇の列が出来上がっており、その場所が謁見の間ということに気付くまでに時間を要した。
王座側の扉から見る光景は印象を大きく変えた。
「すごい人の数だ… この街の人達か…?」
列を作る人たちは不揃いな服装を身にまとっており、それぞれが会話に花を咲かせながら列が進むのを待ち、先頭に近づくに連れて期待に表情も明るくなっている。
先頭で小さなコップを手に取り、少し離れた場所で口にした後にそれを使用人に渡して謁見の間を去っていき、次々と人が流れていく。
それを対応している人物はよく知っている人物だった。
「ほら、これを早く持って行って。ここに来てない人たちを優先にね! 他に手が空いている人はいないの? 一人一杯だからね」
使用人や医者へ指示を手際よく行っているライカは、隼人に気付く様子はない。
いや、気付いていながらも目の前の事を優先しているのだろう。
「ライカがいるってことは、ひとまず安心して良いってことだろうな…」
安堵の溜息をつくと、後ろから声をかけられる。
聞き覚えのある声に振り返るとそこにはアンジェリークが立っており、隼人の元へ駆け寄り矢継ぎ早に質問をしてくる。




