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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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強大な魔法陣#01

「ようやく逃げるのは終わりか?」


「逃げる? まだわからないのですか? あなたたちでは私には勝てないのですよ?」


 気付けば街の中心に位置する広場まで移動をしていた。


 辺りの被害を考えれば、この場所での戦いは避けたいところだ。


「それにこの場所に誘い込まれたと、疑うべきではないですか?」


 確かにわざわざ広い場所へ移動するメリットはない。


 戦う上では遮蔽物があったほうが、身も隠しやすく奇襲も掛けやすい。


 であれば、この場所でしかできない何かがあると考えてもいい。


「さぁ、毒の雨に溺れなさい」


 足元が光に包まれる。


「なんだこれ…!」


「これ広範囲で魔法陣に包まれてるよ!」


「えぇ、対象はこの街全体です」


「街全体って、まさか嘘だろ!?」


 街全体を範囲として捉えた広域魔法。


 本来これほどまでの広域魔法であれば、使用される魔法陣の重要拠点にて、術を安定させる為の術者が必要である。


 それをたった一人で構築し、発動をさせている。


「これは以前から準備されていたものだよ」


「言ったじゃないですか。私には勝てませんって」


 次第に上空から雫が落ち始める。


 雨としては拙いが、徐々に全体を濡らしていくには十分だ。


「流石に即効性まで持たせることはできないですが、それでも十分でしょう。貴方たちにはこれを止める術もなければ、堪えうることもできません。この街自体も死へ向かうでしょう」


 隼人は竜眼を利用して魔法陣を調べるが、魔法陣の核となる部分が見つからない。


「核が見当たらない時の対処は教えてもらってないぞ!」


 ミストセルラルにて修行をしていた際に、魔法についてクィルに学んでいた。


『ハヤトは魔法についてどこまで知っておる?』


『魔法は自身の魔力を引き換えに、精霊から力を借りて発動させてるんだよな?』


『そのとおりじゃ。では、それ以外の魔法について分かることはあるか?』


『それ以外ってなんだ?』


『ふむ、では後学として覚えておくとよい』


 クィルは近場にある手頃な枝を手に取り、地面に描きながら説明を始める。

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