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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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紫毒姫#02

「それが本当の姿ってわけか」


「ふふっ」


 不敵な笑みを浮かべた後に、こちらに向かって指を鳴らす。


 音とお供に隼人と男が居た場所が爆発し、辺りを紫の霧が包む。


「出てきなさい。これでやられるような実力ではないでしょう」


 霧を払うように風が巻き起こり、二人は姿を現す。


 隼人は竜眼を発動させていた。


「まぁ、毒で間違いないだろうな。魔力の色も紫なら、親切に霧も紫だしな」


「わかっていれば何も問題はない」


「さぁ、紫毒姫(しどくひめ)と呼ばれる、私の毒を存分に召し上がれ」


 隼人は右手に魔力で剣を生成しながら、駆け出し距離を詰めていく


 それに合わせるようにフードの男も剣を抜き駆け出す。


 間合いに入った瞬間に隼人は剣を振るが、アーネルはそれを軽く避ける。


 そこにタイミングを合わせて、フードの男が剣を振るがそれも避ける。


「その程度で私は倒せませんよ」


 アーネルは二人に向かって指をパチンと鳴らす。


 音ともに隼人の眼には紫の色が広がる。


「やば…っ!」


 瞬く隙もなく二人は毒霧に包まれる。


「そこで大人しく苦しんでいてください。私はまだ仕事が残っています」


 その場を去ろうとしたアーネルだが、二人を取り込んだ毒霧が吸い込まれるように消え去る。


 姿を現した隼人の手には黒剣が握られており、フードの男も2本目の剣が抜かれていた。


 その剣は隼人の黒剣よりも深い漆黒色を帯びているが、明らかに黒剣で間違いない。


「あんたも黒剣か」


「魔力で作られたものはこの剣ですべて対処ができる。それにしても3本目か…」


 フードの男は黒剣を鞘に納める。


「お前も俺たちを甘く見ないほうがいいぞ」


「どうやらその剣は厄介な物みたいですね」


 アーネルは先ほどとは異なる結晶を取り出すと、血を付け二人へ向けて放り投げる。

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