紫毒姫#01
「どっから湧いたんだよ!」
「恐らく召喚石を利用したのだろう。術者の血液を媒介として、別空間から呼び出すことができる」
「任せるってこいつのことかよ」
隼人は雷脚を使いグランドスネークとの間合いを詰めた後に、頭上を越えるほど高く飛び上がる。
「雷槍」
魔力で右手に先が二俣に分かれている槍を作り出す。
それを姿を追うことができていない、グランドスネークの頭部に狙いを定める。
「ラキウス」
投擲された魔力の槍は、頭部を押さえつけるように地面に突き刺さる。
空気を劈く轟音と共にグランドスネークの活動は停止した。
地面に着地した隼人は、そのまま先へ進む。
「強いんだな」
「そりゃどうも。さぁ、追いついたぜ」
前方にアーネルの姿を捉える。
「(足止めどころか、厄介者が増えてしまいましたか。グランドスネークはAランク冒険者8人以上での討伐隊が組まれるほどの強力な魔物のはずですが… それだけの力を持っているということですか。まだ距離はありますが、これ以上は厳しそうですね)」
アーネルは減速しその場で立ち止まる。
城のほうを確認したのちに、隼人達のほうへ振り返る。
「大人しく捕まる気になったか?」
「笑わせないでください。誰が誰に捕まるというのですか?」
隼人の問いに馬鹿にしたように返す。
その姿には余裕すら見える。
「予定とは違いますが仕方ありません」
アーネルの周りを、目に見えるほどの魔力が取り囲み始める。
そのまま姿を飲み込むと、次の瞬間には姿を変えて現れた。
淡い紫色の服を身にまとい、吸い込まれてしまいそうなほど透き通った紫色の瞳。
その表情からはどこかしら冷たさを感じることができる。




