蛇と鬼#02
「報告は以上です」
『わかったわ。もう好きにしていいわよ。鍵はなくさないようにしなさい』
「かしこまりました」
念話での連絡を終え、手に入れた鍵を確認し首にかける。
「すでに城は騒ぎになり、捜査に人手が割かれるのも時間の問題でしょう。城が手薄になるのであれば、攻め入る身としてはありがたいですが、問題はあの男ですね。見つかれば次は逃がしてもらえないでしょう」
廃屋を出て陰に隠れながら移動を始める。
少しでも状況を知ることが出来る位置を探すために、路地から路地へと動いていく。
その途中で人影を見つけ身を隠す。
「(あの男ではないみたいですね。であれば消えてもらいましょう)」
静かに忍び寄り、背後から急所を狙った攻撃を仕掛ける。
だが、その攻撃は防がれてしまった。
「!?」
咄嗟に飛び退き距離をとる。
攻撃を防いだ人物は一切動いた気配もなければ、形跡もない。
しかし、確かに攻撃を止めたのだ。
「一体どうなって」
困惑をしているアーネルに対して声をかける。
「突然襲い掛かるのは感心しないな」
声の主は男。
頭からフードを被っており、腰に二振りの剣を身に着けている。
隼人が酒場で見かけた人物だ。
「何者?」
「君たちを狩る者かな」
目の前から男の姿が消え、気付いた時には剣は抜かれ斬りかかっている状態だった。
反応は遅れたが、不格好にも攻撃を避けたアーネル。
本能的に危険を察知し、その場から逃げ出す。
「さぁ、気付くんだ」
剣を鞘に納め、緑色の小さな石を取り出すとそれを握り潰す。
石は手の中で少しだけ発光し、その後ボロボロに砕け散る。
「さて、僕も追うこととしよう」
男もアーネルの後を追い始める。
一方、隼人は閻狐が微弱な魔力を探知することに成功していた。




