蛇と鬼#01
「マジかよ…」
後を追って窓から姿を探すが、暗闇で何も見えない。
それ以前に高さもあるため、アーネルがどうなったかすらもわからない。
どうにか手がかりを探そうと目を凝らす隼人に、アンベールが声をかける。
「今の騒ぎで他の騎士たちも来るだろう。お前はアイツを追え。俺もあとで追いつく」
「そんなボロボロな状態で無理すんなよ」
窓から離れてアンベールに近寄る。
「お前にこれをは渡しておく。残り3つ入っているから、1つはお前が使え」
「なんだこれは?」
「明日にでも、山を1つや2つ越えるぐらい元気になる薬だ」
「…大丈夫なのかそれは」
そう言いながらもタブレットの入った薬瓶を受け取り、その中から一つを取り出し服用する。
「すぐに効き目が出てくるはずだ。それまではゆっくりしてろ」
隼人はそう言い残し部屋を後にした。
「ふぅ… 不思議な奴だ」
先ほどとは異なり静まり返った部屋で小さく呟いた。
場所は変わり、街中を隼人は閻狐を頭に乗せて駆ける。
「どうだ? 魔力探知できるか?
「ううん、ダメだね。引っかからないよ」
「引き続き頼む」
閻狐に魔力探知をしてもらいながら、アーネルを探す。
しかし、この広い街中で対象を探すのは容易ではない。
「ライカが居たらすぐなんだけどね。隼人は魔力探知できないし」
「それだけはどうしても無理だったからな。クィルに指導はしてもらったけど、身に付かなかったし」
「全員が出来るわけじゃないから仕方はないと思うけど」
「その分、俺には眼があるからな」
「あくまでも実践向きだけどね」
修行期間で様々な技を教えてもらったが、隼人は魔力探知に関しては習得できなかった為、竜眼の能力を伸ばすことにしたのだ。
その分を補うようにライカの魔力探知は規格外へと進化を遂げた。
「それにその眼は魔力消費が多すぎるよ。黒剣の魔力を利用した身体強化と合わせた使用は長く持たない」
「過信はしないさ」
そう話しながら隼人は捜索を続ける。
同時刻、アーネルは街外れの廃屋で連絡を取っていた。




