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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.02~竜帝:ライカ編~
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新地へ

 この世界に来て数日が経つが、外の景色を見るのは今日が初めてである。


 孤島であるのは聞き知っていたが、それなりに大きな島のようだ。


 そして禍々しさは風景からは感じる事が出来ない。


 本当にごく普通の島。


 そこに魔王城があり、魔物が多く村や町を興し暮らしているというだけだ。


「人間たちが住む場所と変わらないな」


「種族が違って、生活の成り立ちが違う。たったそれだけの違いしかない。それでも他種族だから、自分たちとは違うからという理由で争う。中にはその種族から得ることが出来る素材が欲しくて、無駄な命の奪い合いが起こる。竜族はどの時代も変わらず、常にその渦中にいる」


「……」


「さて、それでは向かいますか」


 ライカが背中から翼を出現させる。


 その翼は銀色で全長は10メートルはあるだろう。


 そのまま自身の姿を包み、次の瞬間にはドラゴンへと姿を変えていた。


「すげぇ…」


「これが、銀翼のアークドラゴン。竜帝ライカ様の本当のお姿です」


 体格は大きくなく、想像より幾分もスマートな姿である。


 それに見とれてしまうほど美しい。


「『魔王様、どうぞ』」


「直接声が…」


「ドラゴン族は特定の相手とテレパシーで話すことが出来ます」


「これが、直接脳内に話しかけるってやつか…」


 ライカの背中に乗りながら、ドラゴンの身体に関して感じたことがある。


 体表は鱗に包まれているわけだが、硬いわけでもない。


 本当にトカゲの体表に似ている。


 絶対に本人には言わないワードの1つだが。


「それでどれぐらいで着くんだ?」


「『全力で行けば6時間ぐらいかな』」


「海路が1週間で空路が6時間ってすごいな」


「これはライカ様だから可能な話です」


「ん? というか全力で飛んだ場合、結構な速度だよな?」


「そうですね。おおよそモンス王国まで7,000キロほど離れていますので」


「マッハ超える…?」


「マッハとは?」


 細かい単位の呼び方は共通ではないようだ。


「いや、その速度だと色々支障がな」


「『風の障壁を作るから大丈夫だよ』」


「なんかよくわからないが、大丈夫なんだよな? 息はできるんだよな? 死なないよな?」


「『心配しすぎだよ。障壁がなくても死んだりしないよ』」


「いや、完璧な障壁を頼む」


 様々な問題を抱えながらモンス王国へ向かい始めた。

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