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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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真夜中の来訪者#02

「ひどくやられたようですね」


「そんなことを言いに来たのか」


「例の話について、考えてもらえたか確認をしにきました」


「それは断ったはずだ」


「では、あの者を信じると?」


 少しの沈黙が訪れる。


「ここまで衰弱しきった国に突然現れて、快方へ導くなんて都合が良すぎるとは思わないのですか? 更には公女様の後ろ盾まで手に入れ、好きに動き回っている姿まで確認できます。このままでは」


「ゼロの魔術書が奪われてしまう」


「えぇその通りです。ゼロの魔術書が奪われてしまってはこの国どころか、世界をも襲う災厄となりかねません」


 ひとつ息を吐いてアンベールは言葉を返す。


「何度でも言うが、俺はゼロの魔術書なんてしらない。それにそんなものがこの国にあることも聞いたことがない。それになぜ国王様ではなく、俺に聞くんだ」


「先ほど国王様にも聞いてきましたが、もう貴方しか知る人がいないのです」


「言っている意味がわからない」


 アーネルはアンベールの胸あたりを指差す。


「その首から下げている鍵の部屋には入ったことがありますか?」


「何故、鍵の事を知っている?」


「私のような魔術師はその魔力と引き換えに、身を守る術が非常に少なく危険に晒されることが多いのです。そのため、訓練によって僅かな違いを気付けるようにしているのです」


 服の上から手のひらで鍵を押さえる。


「この鍵の部屋の場所は知らない。もし知る機会があったとしても、有事でない限り使うことがないように言われている」


「今ではないと?」


「存在はどうであれ、国は快方へ向かっている。今ではない」


 アーネルは少し不満な顔を浮かべる。


「それが狙いだとしてもですか?」


「もしこの鍵が狙いで、お前の言う物を探しているのであれば、そんな面倒なことはせずに直接奪うだけの力がある。回りくどいことをすることによる、利が一切ないだろう」


「随分と高く評価されたのですね。あれほどまでに敵意を向けていましたのに」


 小さく呆れ混じりのため息をつく。


「俺も一つ質問をしていいか?」


 アンベールは鍵から手を離し、アーネルに尋ねる。


 それを快諾する。

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