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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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隼人vsアンベール【前編】#01

「よぉ、逃げずにちゃんと来たな」


「何のつもりだ」


「理由はいろいろあるけど、とりあえずお前をボコろうかなって」


「意味がわからない。アンジェリーク様から言われたから来ただけだ。俺は帰らせてもらう」


 そういうと踵を返し、来た道を戻り出す。


「やっぱりあの騎士長の部下は根性なしか」


「今なんて言った?」


 足を止め言葉を返す。


「そりゃ任務中に死ぬわけだ。部下がこんな奴じゃ、上に立ってるやつも大したことないに決まってるからな」


「貴様っ!」


 隼人と向かい合い、明らかな怒りを見せるアンベール。


 僅かばかりの殺気を奮わせる。


「防具だけ帰ってきたみたいだけど、スライムかなんかにやられたんじゃないのか?」


「口を閉じることが出来ないなら、その首を切り落として喋ることが出来ないようにしてやる」


 アンベールは剣を抜き、隼人へ向かい歩き出す。


「そんな剣で大丈夫か? さっきは一太刀も掠らなかっただろ? ってそうか、そういう教え方しかできなかったんだな、カイオルのやつは」


 隼人が喋り終わると同時のタイミングで、アンベールは一息で懐へ潜り込む。


 比較的開いていた距離を一気に詰め、相手の判断を遅らせそのまま斬り払う。


 しかしそれを槍の柄で受ける。


「さっきよりはマシだな」


 アンベールは飛び退き距離をとり、自身の刃を確認する。


 本来であれば切断できているであろう木製の柄を、切断することが出来なかった。


 自然と自身の剣に異常がないか疑うのは自然だろう。



 ただ隼人が持っている槍には、魔力を纏わせてある。


 魔力が定着しやすい物質ではないため、コントロールは必要だが魔力を帯びている分、強度は非常に高い。


「それじゃこっちからも行くぞ」


 巧みに槍を操りながら一気に距離を詰める隼人。


 リーチがある分、かなり有利に戦いを進めることが出来る。


「ほらどうした? リーチの差がある相手との戦い方ぐらい習ってんだろ?」


「知ったような口をきくな!」


「だから、冷静さを失うなって」


 守りに徹する剣をはじき、守りが甘くなった脇を勢いよく打ち込む。


「ぐぁっ!」


「今ので一回死んでるぞ」


 打たれた脇を抑えながら息を整えるアンベール。


 大きな欠伸をしながらそれを待つ隼人。


 まるで子供をあしらうような感じだ。

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