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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.02~竜帝:ライカ編~
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隼人vs竜帝ライカ#02

「(一発とは言っても、さすがにこの状況は良くない。長期戦は明らかに不利だし、そもそも体力の消費が激しすぎて持たない。魔法も使えるは使えるが、思っていたよりも勝手が悪い。火や水などの魔法であればイメージがしやすい分、扱いも問題ないがそれ以外となると話が別だ。ゲームでよくある身体能力の向上だったり、回復だったりは全く使い方がわからない。ゲーム中に魔術書とかそういった類の物が存在していた意味がこの場になってよく理解できる)」


「どうしたの魔王様。こないなら私からいかせてもらうよ」


 ライカが先ほどよりも速度を上げ間合いを詰める。


「ほんと、その速度卑怯だな!」


 ライカの攻撃を紙一重で回避する。


 正直避けることが出来ている時点で奇跡のようなものだ。


「魔王様の反射神経も卑怯だと思うけどね」


 隼人はライカと距離を取り体制を取る。


「全力は出してないけど、この速度の攻撃を避けれる相手は殆どいないんだけどね」


「これで全力じゃないって…。いやまぁ、そうだろうな。不思議とそうだと信じることが出来る」


 速度に攻撃力、全てにおいて完璧と言えるライカ。


 ドラゴンはどんな話でも優れていると取り上げられるが、この世界でもそれは例外ではないようだ。


「それじゃ反撃させてもらうか」


 隼人は周囲に複数の炎弾を作り出す。


 攻撃のすべてはイメージで取り扱う。


「反射神経もよくて、魔力の取り扱いも器用とかやっぱり魔王様はすごいよ」


「そりゃどうも」


 隼人は作り出した炎弾をライカではなく地面に放つ。


 爆発が起き煙が辺りに立ち込める。


「(目眩まし程度にはなるはず)」


 次に隼人は微力な雷を身体に纏わせる。


「(推測だけど、ライカのあの異常なまでの速度は、電気刺激による筋肉増強だと思う。現にライカの周りには小さい雷のようなものが見えていた。さすがにあそこまでの増強は、竜族の強靭な肉体があるからできる事だろうけど、少しぐらいなら可能だろう)」


「視界を奪うってのは基本戦略としていいと思うけど、この程度じゃなにも意味ないよ」


 ライカが風を起こし煙を払う。


 ただ隼人が準備を行うまでの時間稼ぎには十分だった。


 まだ完全に煙が払われる前に間合いを一気に詰める。


「もらった!」


 だがライカは体を逸らせ、いとも簡単に攻撃を避けそのまま隼人へ反撃をしかける。


「魔力の調整量も完璧だね」


 ギリギリだが反撃を防ぐ隼人。


 攻防が続くがまだライカが優勢だ。


「私を見て、その身体強化を思いついたなら本当に恐ろしいよ。でも、そろそろ限界じゃないかな?」


 明らかに少しずつ動きが鈍くなっていく隼人に対して、ライカは息も乱れていない。


「確かにそろそろ限界だな。だからこそこれで決める」


 先ほどよりも多くの炎弾を作りだす。


 そして再度、地面に放つ。


「また目眩まし?」


 ライカが先ほど同様に風を起こそうとする。


 だがその瞬間にライカの目の前に槍のようなものが現れる。


 それを飛び退き避けるが、地面から同じように槍が突出する。


「また厄介なことを!」


 どんどん飛び退きながら避けていくライカ。


 ただそれを的確に追う。


「でもこんな攻撃じゃ当たらないよ」


 しつこくライカを狙うが全て避けていく。


「いつまでっ…」


 ドンっと音と共に、ライカの足が止まる。


「壁!?」


 地面から突き出す槍がライカを取り囲む。


 隼人がゆっくりと歩きながらライカに近づく。


「ダメ元でやってみたけど、意外と上手くいくもんだな」


「魔法を使えるようになったらすぐこれだよ」


「さぁ、どうする?」


「降参。どうせ抜け出そうとしても逃してくれないでしょ」


「賢明だな」


 槍が全て崩れ落ちライカを解放する。


 もう少しライカに抵抗をされていたら、この軍配はライカに上がっていただろう。


 隼人にこれ以上の体力は残っていない。

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