情報収集#02
ローブを頭から被り、顔を隠しながら隼人がギルドの中に入ると、やはり以前に比べ活気もなく冒険者も疎らにしかいない。
ギルドの扉が開くことも稀なのであろう、中にいる冒険者たちが一斉に視線を向ける。
それを気に留めることなく依頼の掲示板を眺める。
「(やっぱり依頼自体も減ってるか。普段なら所狭しと貼られている依頼書も、数える程度しかないってのもギルドとしてもかなりの痛手だな。隣国への護衛、建物の修繕、ゴブリンの手骨の納品、スライムポーションの納品、あとは羽うさぎの駆除か)」
基本的には医療に関係するゴブリンの手骨やスライムが生成するポーションだったりの依頼が多い。
数少ない依頼書を一つ一つ確認していく中で、ひと際目立っている依頼書を見つける。
「(これは国からの依頼か? 死の病の治療って、たぶん斑点のことだよな。そういやベルミナ以外の街には行ったことないけど、他の街とかはどうなってんだ?)」
実際に隼人が今まで訪れたことのある場所は、その国で最も大きい場所のみで近隣の街などには足を運んだことがない。
王が治める街と領主が治める街があるが、大きな違いは治めている立場ぐらいなものだ。
この依頼の内容からすれば、本当にベルミナだけの問題のようだ。
そんなことを考えていると、一人の男がいつの間にか隣に立っていた。
その人物も隼人同様に頭からフードを被っており顔を隠しているが、背丈からして男なのは間違いない。
はたから見たら怪しさが際立つ。
「(腰に二振りの剣…ってことは剣士か? 俺と同じ格好だから悪目立ちしてるだろな)」
掲示板に貼られている依頼自体には興味がない。
そのままの受付へ向かう。
「ちょっといいかな?」
「はい、いかがされましたか? もし依頼を受けられたいのでしたら、先にギルド登録をしてもらう必要があります」
「いや、悪いけど依頼を受けたいわけじゃないんだ」
若い受付嬢は少し表情を曇らせる。
「そうですよね。こんな状況じゃ、うちでギルド登録をするメリットがないですもんね…」
非常に悲しそうにしながらも話を続ける。
「少し前まではもっと活気があって、ここも賑わっていたんですよ。ただ最近はこんな状況もあって見る影もありません。ここに残ってくれている冒険者たちも、この国出身の人だったり家族がいる人だったりで、外から来ていた冒険者はいなくなってしまいました。貴方はこの国の人ではないですよね?」
「あぁ、そうだ。それで聞きたいことも今話してくれている内容なんだけど、この状況になるまでに何か異変とかそういう話を冒険者から聞いてたりしないか?」
冒険者と話す機会も多いとなれば、何かしらの情報を知ってる可能性がある。
ただそれを記憶しているかどうかは別の話ではあるが。
少し悩みながら考え喋り始める。




