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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.07~死の国、モンス王国と鬼神カイオル~
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ひと時の安息

「どれぐらいで効果が出るのだ?」


「個人差はあるけど、ちょっと待って」


 ライカは国王に気付かれないように竜眼を使い娘を視る。


「眼が…」


 娘だけはそれに気付き言葉を発しかけたが、人差し指を口元に当てるライカの姿を見て止めた。


「うん、効果は出ているみたいだから大丈夫。ただ、結構症状が進行していたみたいだし、1日は安静にしてたほうがいいよ」


「本当かぁ!」


 国王はその場で喜びと驚きの声を上げる。


 娘の手を握り喜びを伝えていたが、それに反して娘は落ち着いた様子だ。


 ひとしきり喜びを示したのちに、隼人達に向かい立つ。


「すまない、まだお前たちの名前を聞いていなかったな」


「俺は隼人、こっちがライカ。で、どうだ?」


「お前たちを信用するには十分だ」


「それじゃ本題に入らせてもらいたいんだが、この国の症状を訴えている人たちのリストが欲し

い」


「本当に国を助けてくれるというのか?」


「だから最初っからそう言ってただろ?」


 少し考える様子を見せた国王は話を続ける。


「何が望みだ?」


「え?」


 突然の質問に困惑する。


「この国に関係のないお前たちが、救う理由が見当たらないのだ。となれば、何か目的があるのだろう」


「目的がないと言えば嘘になるが、今はそれよりもこっちが優先だ」


「…わかった。リストを準備させよう。ただ時間をもらえるか? リストを集めるのに今すぐは難しい。明日までには準備をさせよう」


「それじゃ明日改めるか」


「待て待て。娘を救った恩人に礼もなく去ってもらうわけにはいかぬ。宿泊先は決まっておるのか?」


「いや、まだだけど」


「それであれば」


 そう言って案内されたのは一つの客室だった。


 先ほどまでの部屋には劣るが、それでも非常に豪華である。


 ベッドはセミダブルほどの広さの物が2つ置いてあり、椅子やソファーなども置かれている。


 テーブルの上には盛り付けられたフルーツが置かれている。


 その部屋に隼人達は呆気にとられる。


「ここを使ってもらって構わぬ。湯浴みに関しては浴場を利用してくれ。もし何か申し付けがあれば、このメイドに伝えてもらえれば手配をしよう」


「いいのか?」


「気にすることはない。では、リストが揃い次第声を掛けさせてもらう」


 そういうと国王はその場を後にした。

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