名札発行所取材の話
「こんばんは、視聴者のみなさん。今日は名札発行所へ取材に来ています。早速中へ入ってみましょう。」
「こんばんは。名札発行所名前管理部です。」
「こんばんは。今日はよろしくお願いします。早速なのですが、今何をなさっているのですか。」
「ここではモノの名前を作る作業をしています。新しいモノは日々生まれていますからね。」
「なるほど。他の部ではどんなことをなさっているんですか。」
「他の部では名札発行などをしています。モノはそれ単体ではナニモノでもありませんからね。名札を付けて物にする作業が必要なわけです。」
「そうなんですか。視聴者のみなさん。今日はそのモノを特別公開させていただけるそうです。では、早速参りましょう。」
「さあみなさん。モノ製造工場へやって参りました。ついにテレビ史上初、モノ公開の時間ですよ。」
「よくお越しくださいました。これがそのモノになります。」
「これが...モノ、ですか...何と形容すればいいのでしょうか。そもそも形容する以前に認識すらできません。全くどんなモノなのか分かりません。」
「それはそうでしょうね。ではこちらの名札(猫)を付けてみましょう。」
「おお。これはまさに猫ですね。名札をつけた瞬間にモノは猫になりましたね。猫だから耳や尻尾がありますね。」
「そうですね。これがモノ製造工場でやっている仕事です。」
「なるほど。この仕事をやっていてどうですか。」
「そうですね。いろいろなモノが見れるので楽しいですね。でもやっぱり最近は少し退屈ですね。」
「それはもしかして固有名詞禁止法ですか。」
「そうですね。名札の発行を楽にするためとは言え、やはり固有名詞がないとつまらないものです。」
「そうなんですね。固有名詞がないことで不便に感じたことはありますか。」
「やはり人を呼ぶときですかね。全員人ですから呼んだらみんな振り返るんですよ。」
「なるほど。やはり加藤首相には不満があるということでしょうか。」
「まあそれはそうですね。法律を作っておきながら自分には固有名詞を付けているというのはどうなんでしょうね。」
「なるほど。やはりあなたは反政府側の人間なんですね。名札発行所職員は全員名札(政府賛成派)を付けられているはずなんですが。何かの事故で名札(人)が上書きされてしまったみたいですね。」
「な、何をするつもりだ。やめろ。俺の名札に触るな。おい。うわあああ。」
「まったく、既存の名札を上書きする仕事も楽じゃないですね。あと何人やればいいんだか。」
3作目です。会話文だけで書いてみました。読みやすく作ったつもりですが読みにくかったたすみません。読んで下さりありがとうございます。