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2話です!今回は、斎藤さんの過去にちょっと触れる前ぶりがあります!
それから、何度か斎藤さんを見かけるたびに、俺は話しかけてみた。斎藤さんは、誰にでも敬語で、少し冷たい感じがするけど、困っている人がいると手助けをしてくれるから結構、人気者だ。頭も俺よりもずっと良い。変な噂や話も聞かないから、訳あり生徒でもなさそうだ。本当、どうして、この学校に入ったのか謎だった。
そんな謎だらけの斎藤さんをもっと知りたいと思ってはいたが、少しの会話をするだけの関係では中々難しい。結局、親睦が深まることはなく、そのまま俺たちは2年生になった。しかし!諦めるのは早かった。いや、諦めてはいないが、そんな俺に転機が訪れた。
「生徒会?」
「おう」
突然、先生から話しかけられ、何事かと思ったら生徒会の誘いだった。どうやら今年は、やるメンバーが足りなく、困っているらしい。
「まぁ、俺でも大丈夫なら」
「おー。ありがとな。じゃあ、また連絡するから」
数日後、生徒会の顔合わせがあった。そこには、斎藤さんの姿があり、俺は正直、嬉しかった。これをきっかけに斎藤さんのことをもっと知れると思ったから。
「よろしくお願いします!」
1年生の立花玲は、元気な男子生徒。少しやんちゃな感じはするが、元気があれば何とやらと言うし、仲良くやっていけそうだ。
「わ、私、漢字、苦手でよく間違えますが、よ、よろしく…お、お願いします…」
もう1人の1年生、歳月舞は、気弱な女子生徒。おどおどしていて、心配だが頑張ってフォローしていけば何とかなるだろう。
生徒会のメンバーは全員で4名。話し合いの結果、生徒会長は斎藤さん。副会長は俺。立花玲は会計で、歳月舞が書記となった。
「では、改めてましてよろしくお願いします。最初の活動は、朝の挨拶運動をします。次に…」
生徒会の活動は、週に3回。挨拶運動や清掃。他にも、ケンカの止めに入ったり、カツアゲの生徒を注意するなど、普通の学校ではないこともある。
「おい、赤坂。大丈夫か?」
三浦と近藤が俺の顔を見て、青ざめている。無理もない。ここ最近、ケンカの止めに入って、ボコボコにされたり、カツアゲの生徒を注意して、殴られたりしたせいで体のいたるところに痣や傷が目立つようになった。
「うん…大丈夫…」
そういえば、斎藤さんは、よく注意するわりにはあまり怪我をしたように見えない。もしかして、ケンカに強いとか?
「ケンカが強いと言いますか、護身術を習っているんです」
「そ、そうなんだ」
放課後、斎藤さんと見回りをすることになり不意に聞いてみた。斎藤さんは、身も心も強いのか。何だか、俺とは間逆過ぎて、本当に尊敬する。俺も見習わないと。
休日。俺は近くの図書館で、護身術の本を借りて帰る時、何と!斎藤さんと出くわしたのだ。決してストーカーではない!本当に偶然、出くわしたのだ。
「斎藤さん!こ、こんばんは!」
「こんばんは赤坂さん。偶然ですね」
ジーパンに薄いピンクのパーカ姿の斎藤さん。私服姿をみるのは初めてだ。斎藤さんの手には2つの買い物袋がある。もしかしておつかい…とかかな?
「良かったら、荷物を持たせてくれない?筋トレをかねて!あ、勿論、迷惑じゃなかったらだけど」
「迷惑だなんて…良いんですか?じゃあ、こちらをお願いします」
斎藤さんから受け取った買い物袋は、思っていた以上に重く、思わず声をあげてしまいそうだった。
「あの、赤坂さん。どうして、私に優しくしてくれるんですか?私は、誰かの力になることはあっても、誰かに助けを呼ぶことはしません。自分のことは、自分でやります。なのに、どうして赤坂さんは、自分から私に声をかえて、助けに来ようとするんですか?」
不意に、斎藤さんから質問をされた。
「へ?あー…」
確かに、初めて会った時も、斎藤さんは助けを呼ばなかったのに、俺は勝手に動いた。声をかけるのも、生徒会に入ると言い出したのも全部、俺から。
「斎藤さんのことをもっと知りたいと思ったからかな?そして、仲良くなれたら友達になりたいなぁと思ってさ!」
「っ!」
斎藤さんは、足を止めた。その時の斎藤さんの顔はいつもの澄ました顔ではなく、眉間にシワをよせ、辛そうな顔だった。
「私は…誰かと仲良くしたり、友達を作っていい人間じゃないんです…。私は…っ!人を…殺した罪があるんです…っ!」
「え?」
それは、すごく意外な言葉で、一瞬、意味が分からなかった。
読んでいただきありがとうございます!
次回も宜しくお願いします!
次は、斎藤さんの母親登場予定です。




