彼女の来た世界-雅
娘の雅編、1
突然、眩い光が画面から溢れだした。それはボクを包み込むように柔らかく広がっていって・・・
〜〜〜〜〜
何だか暑い・・・。ここはクーラーの効いた快適な部屋のはずなのに。頬に何だか変な感触が。何だ何だ?だんだんと意識が覚醒する。そういえばボク、なんで寝てたんだっけ?
「キュ?キュー?」
ん?なんだこいつ?ってかどこだここは?おお?何でボク服来てないんだ?え?ボク服来てないの!?ホワイ!体を勢いよく起こす。
ここはどこ?木の床に布の壁?あ、服置いてある。ん?出口もあるぞ?ちょっと覗いてみよう。顔だけ出して外側を覗いてみた。
「おおー。みどりだー。」
ん?緑?おぅ!じゃんぐる!ボクは今ターーザン!やばい混乱してる。取り敢えず服着るか。
にしても何なんだとの状況。隣で可愛いもふもふかわうそが泣いてるし。全裸だし。ってかボク女の子よ?酷くない?しかもこれ服じゃなかった。ボク原住民じゃないんだけど?布なんだが。うーん。どうしよ。サバイバル?する?何だかこんな状況で落ち着いてる自分が怖くなってきたが。あ、さっきターーザン!とか言ってたわ。全然落ち着いてない。
「キュー。キュキュ?」
にしても本当に何なんだろこいつ。非常食?みたいな目でもふもふかわうそを見てると
「キュー!キュキュ!」
怒られた。でも可愛い。決めた。こいつペットにする。何かボクに懐いてるみたいだし。さて、と。外に出るか。
うん。緑!真緑!ここ、いず、べりぃぃいいい、ジャングルぅううう!さて、今こそBSのあの番組を思い出せ。まずは靴だ。虫が危険らしい。あ。靴あった。懇切丁寧にキャラバンの入り口に置いてある。ってかこれキャラバンだったのね。運転席(?)には誰もいない。よし。状況把握。
ここは気づいたらここはジャングルで、謎のキャラバンに乗っていた。もふもふかわうそが隣にいて。うん、まったくわからん。ここで待ってた方がいいのかな?ま、取り敢えずここを拠点にしてサバイバルしますか。
「キュキュ!キュー!」
もふもふかわうそが鳴いた。
もふもふかわうそ
正式名称:ヒトマトイ
人に愛されるような見た目を持ち、媚びるようにして餌をねだる。個体にもよるがまといぬしを守るように動いたり、人が食べられるものの場所を示したりする頭のいい生物。そしておこぼれをねだる。人と共存関係を築いている数少ない生き物。