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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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イノシシ編 閑話その11 ミレイ5

ケンさんのおかげで私たちのほうへ来るゴブリンは少数だった。

この数だったら私たちだけでも十分に戦える。


アツコとケイに回復魔法を使い、補助魔法も忘れずにかける。



ケイとアツコのおかげもありあっさりと2体を片付け、ユウの魔法で1体を倒す。

ミレイの回復魔法でスタミナを回復してもらい、残りの3体も難なく片付けた。


ケンさんが突っ込んでいった方向を見ると、崩したと思った隊列がもう元に戻りそうだった。既にゴブリンたちに囲まれているのが見えた。


その中でいつものゴブリンじゃないのもいる。

鑑定を使い敵を分析する。

駆け出し程度のぼろい防具と武器も手にしているゴブリンソルジャーが4体、

ローブを着ているゴブリンマジシャンが2体、そしてその中央にいる鉄の鎧を着た大きなゴブリンが、ゴブリンジェネラル。


ゴブリンジェネラル?比較的簡単なこのダンジョンで出てくるレベルのモンスターじゃない気がするけど・・・。とにかく大きい、もはやゴブリンというよりかはオーガに近い気がした。


おかしいと思いつつも、今更どうしようもできない状況にモヤモヤしつつも、目の前のゴブリンに集中しないと。



そのゴブリンの影響もあってか他のゴブリンたちもしっかりと集団行動もしてケンさんと戦っているように見えた。


次に私たちに向かってきたのは先ほどの倍以上のゴブリンが綺麗な隊列を組んでやってきた。

一旦ケイとアツコが私の所まで戻ってきた。



今の私たちのレベルと連携ではまだ突っ込んで倒せる数じゃない。


弓矢を持っているゴブリンアーチャーが後方に4体、その前を守るゴブリンが8体が。数も脅威だけどきちんと隊列を組んでこちらに向かってくる。



いつもは簡単な敵のハズなのにこうも状況が変わると恐怖さえ感じる。


まず、ユウの魔法で一匹のゴブリンを倒す、その語アツコとケイでゴブリンに切りかかる。


一気に2体のゴブリンを倒し、アツコとケイは後方にいるゴブリンアーチャーに向かう。


ケイはアツコほど攻撃力は高くないが補助的な動きが誰よりも上手だ。

アツコが切り込んでいく後ろについていきフォローする形でゴブリンアーチャーへ向かっていった。


二人が無視したゴブリンがこちらに向かってくる。

私の防壁魔法に阻まれてで私たちに危害を加える事は出来ない。

身動きは出来なくなるけど、防御に特化している為ゴブリン程度なら数時間は耐えれる。


二人がゴブリンアーチャーを倒して戻ってきて、残りのゴブリンも倒してくれた。



余韻に浸る間もなくケンさんの声が聞こえた、その方向に目を向ける。



ケンさんはまた、火だるまになっていた。



二度目の火だるまになっているケンさん。

急いで、水魔法を唱えて火を消す。遠すぎる為火を消すのさえ時間がかかる。

同時に回復魔法も唱えてケンさんのフォローをする。




うずくまったまま動かないケンさん。



私の回復魔法の効果だけでなく、ケンさん自身でも傷の回復が早いようだ。

既にやけどの痕もなくなってきているし、勘違いかも知れないけどむしろ肌艶が良いようにも見える・・・。



遠い為詳細は見えないがそんな事を考えている。


ケンさんが急に立ち上がり叫んだ。



ウオオオォォォーー




結構離れているはずだけど肌がビリビリしてくる。


あれっ服が見えない、ほとんど全裸の状態のようだ。

あれがケンさんの裸・・・よく見ておかないと・・・、ってそんな事よりも鑑定でステータスを確認する。



筋力・俊敏・持久力がいつもの3倍以上。

「赤い〇星」・・・、あっ私は何を訳の分からない事を!?

魔力と器用さは10分の1ぐらいまで減っているけど、これがスキル「露出」の効果なのかな。



今まででもゴブリン相手なら余裕の強さだったけど、今でも強すぎる・・・。



対峙するケンさんとゴブリンジェネラル。



にらみ合いが数秒続き、ゴブリンジェネラルが先に動いた。

でも、ケンさんに軽く止められ、一瞬で木っ端みじんになった。


ケンさんはゴブリンジェネラルの血の雨の中立っていた。

とても強くて残酷な雰囲気を持つケンさんに私は目を奪われていた。



振り返ったケンさんのは全裸、もちろん大事なところも丸見えだった。

ついつい見入ってしまったけど、男の人のあそこはああなっているなんて、いろんな意味で衝撃だった・・・。



「安心したまえ、私は大丈夫(へんたい)だ。」


話し方は少し変だけれどきちんと理性もあっていつものケンさんのようだ。

全裸なのに何も気にしないのは大人の余裕なのだろうか?


無事にボスを倒せてみんな安心するはずだったんだけど、ケンさんの裸体を見てみんなドン引きしていた。

特にユウは取り乱してしまって火炎魔法を放ちまくり、数発連発した後は気を失って倒れた。


いつもよりも身体がムキムキでなぜか少し色が黒いしテカッていたし、顔も少しダンディな感じてケンさんの違う一面が見れてうれしかった。


その後、魔石とアイテムを回収してゲートをくぐって帰宅した。

アツコも含めてみんなケンさんに対して嫌悪感しかないみたい。

一度だけでなく、二度目の命の恩人でもあるんだけど、もうそんな事も忘れているようで良い感情が無くなってしまったみたいだ。


私たち(・・・)とケンさんとのダンジョンでの冒険はこれが最後になった。



ユウは念のためギルドの医務室へ連れていった。

ただの魔量切れで気を失っているとの事で明日には退院することになった。


私たちはユウをギルドの医務室へ預け、その後すぐに帰宅した。

何とも言えない雰囲気のまま、みんな無言で帰っていった。


私はケンさんのいろんな意味での一面が見れてうれしかった。

でもこれからケンさんとどうやって接していけばいいのか不安になりつつ、またベッドの上でゴロゴロしながらモヤモヤして眠るのだった。


閑話が長い・・・。と思っている方もおられるかもしれませんが、今後ともご声援のほどよろしくお願いいたします。

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