イノシシ編 閑話その7 ミレイ
ミレイ目線 -舘 美麗-
私は冒険者という職業に少なからず興味はあった。
でもまさか自分が冒険者になるとは考えてもみなかった。ダンジョンに行くなんて怖いし危ないと思っていたし、今もそう考えている。
ただ、始めたきっかけは大学の友達が応募した冒険者適性試験だった。
まさか私も含め友人が合格するとは思ってもみなかった。
私はお金を稼ぎたいというよりかは、アツコ、ケイやユウが心配だったので一緒に冒険する事になった。少しでも力になりたいと思って冒険者となった。
冒険者になる前、一番苦労したのはお父様を説得する事だった。
家族に心配をかけるのは分かっていたけど、友達のためという事でに押し切ってしまった。
本当は別の目的もあったのだけれど・・・。
数日間の研修を行い、友人たちを浅い階層で冒険を続けていた。
そんなある日、私はあの人を見つけたのは都心部に近い「猪の巣」というゲートで見かけたのが最初だった。
周りの冒険者から騒がれるほどの異様な見た目と放つ異様な雰囲気が凄かった。
1人でゲートから出てきたときは、モンスターが出てきたと思った警備担当の人が臨戦態勢になるぐらい動揺していた。
というか、第一に恰好が異様だった。
アツコを始め他の友達も、周りの冒険者も顔が引きつって見ていたのをよく覚えている。
でも、私はすごく気になった。どんな人なのだろう?
なんで冒険者になったのだろう、考え出したらキリがなかった。
当の本人はまったく気にしていない素振りで一人でスタスタとギルドに戻っていく。
その背中を見て、普段知らない人に使う事の無いスキル「鑑定」を使ってみた。
私の「鑑定」あまり精度が高くないけど、その人の名前や性別などの基本的な情報とスキル、健康状態、粗々としたステータスを見ることができる。
名前は「江崎 拳」、年齢は29歳。
ステータスは、全体的に高いけど、体力・力・防御が異常に高い・・・。
ただ、比べて魔力はほとんど無いぐらい低い。完全な前衛タイプのようだ。
そして、スキル「露出」
ろしゅつ?
説明では肌を露出するほどステータスが向上する・・・。
だから、あの恰好なんだ。あの人の事が少し分かり何か満たされた気持ちになった。
そんな気持ちになったが、あの人との距離が開いてしまい、これ以上は何も分からなかった。
その後少し、モヤモヤと考えながら帰宅した。
私たちと配属されているダンジョンが同じという事は、私たちチームとしての力とあの人一個人の力が同じぐらいという事。
通常、ダンジョンでは単独行動はほとんどしない。3人から5人で行動する冒険者がほとんど。
ギルドからの勧めでもあるし、リスクとリターンを考えると人数はそれぐらいになる。
そう考えると、ほぼ裸のような装備で一人でダンジョンに潜り無傷で戻ってくる。
スキル「露出」ってそんなに強力なのだろうか?
知った情報なんて極わずかでどんどん興味が湧いてくる。
見なければ、興味を持つこともなかった。でも、私はあの人のステータスを見たのがいけなかったのかな・・・。
その日は、なんだかモヤモヤしながらベットに入った。
読んでいただきありがとうございます。また、ブックマークやポイントも少しずつですが伸び始め嬉しい限りです。珍しくやる気があふれてくる!
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