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脱サラリーマンの冒険記  作者: 団子 虫
第三章 イノシシ編
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イノシシ編 第40階層

ディナミスはどぶ川、いやドブでも見るような目つきで私を見つめ。静かな殺意を感じる。


ミレイちゃんは少し顔を赤めながらタイラントボアのドロップアイテムを拾っていた。

「・・・。」


さてこの私のどこが変態なのかはさて置いて、、女性にばかり仕事をさせてはいかんからな。

ミレイさんのお手伝いをしなければ・・・。。


と、ミレイさんに近づこうとしたらディナミスが間に割り込んで服を着ろもしくは死ねと普通に怒られてしまった。

慣れた手つきで代えの服に着替える・・・。

悲しいかな、慣れたくはないが最近は代えの服を持ってるのに慣れてしまった。


ディナミスからはいつもの装備品に比べたら大分マシと言われつつ、

あんな変態装備俺も好きで来ている訳では無いんだけどなと理不尽だ・・・。


宝箱からは液体の入ったガラス瓶、モフモフした毛皮が入っていた。

この液体はなんのか?毛皮も不明だ。


巨大な魔石も含めてミレイちゃんのアイテムボックスに入れて貰った。



アイテムを回収したし、帰るか。



ボスをは倒した事でゲートが開いた。

(気が付いたらぬぅっと出てきた。)

ゲートをくぐり、ギルドへ着いた。


さて、面倒だがムトウのおっさんにまずは報告でもするか・・・。


ディナミスはダンジョン内でしか可動出来ない為、今はミレイちゃんの服になっている。

今さらならながら不思議な服だな・・・と凝視していると、なんだが悪寒を感じたが、

きっとダンジョンで全裸になって風邪でも引いたか・・・。


とりあえず面倒だが形だけでもムトウのおっさんへ報告することになった。



「かくかくしかじかなので、フロアボスを倒して戻ってきました。」


「そうか、かくかくしかじかで・・・、まったく分からんわ!」

ノリ突っ込みが上手くなったなーと思いつつも詳しい話をムトウさんへ話をした。


「そうかー、タイラントボアが出て、しかも倒したのか・・・。お前は運が良いのか悪いのか・・・。」


「そもそも、ムトウさんの情報曖昧過ぎませんかね。モンスターの規模が大きかったり、フロアボスが強かったたりと毎回違うんですが。」


適当な情報ばかりでこちとら死にかけてるし、服もなくなるし散々だ。

ムトウさんは難しい顔をしたままであまり効果はなかったようだ。


「んー、もしかするとこのダンジョンも終わりかもな・・・。」

難しい顔のムトウのおっさんが言った一言が俺には理解できなかったが、

ミレイちゃんが少し考えるそぶりをして口を開いた。


「もしかしてダンジョンが消滅するってことでしょうか?」


「結構そういったケースはあるんだが、ダンジョンが消滅、ゲートが閉じる予兆で最終フロアのボスが凶悪・巨大化するっていうのが定番なんだ。まあ、今後のモンスターの出具合を観察してみないと分からんがな。」


「そういう事だから、二人は数日休んで違うダンジョンに行ってくれ。」


さくっと報告ついでにさくっと異動が決まった。

その後、俺らは魔石とドロップアイテムはギルドに預けて、一旦解散となった。


その夜


ミレイちゃんとメールで数日暇になったので魔石とドロップアイテムを換金した際の取り分を決めたいという事で話合いをしたいと。


こ、これはデートのお誘いかっ!?

いえ、業務連絡でしょう。


さすがにおっさんが一回りも違う女の子に振り回されてはいかん。

いかんけど、どんな形であれ誘われるのはうれしい。

こんなおっさんがミレイちゃんのような美少女に誘われただけで幸せだ、高級羽毛布団でも、幸せになれる壺でもなんでもおっさんが買っちゃうよ。


その日は我ながら気持ち悪いぐらいニヤニヤしながら寝た。

きっといい夢が見られるだろうと思いつつ・・・。



すやぁ…




トットットッ


ん?


トットットッ


んっ?なんか物凄い速度で近づいてくるな・・・。


トットットッ


般若の如く鬼の形相でディナミスが走ってくる。


気が付いたら走っていた。

夢の中で一生懸命走っていた。

後ろから、足音が聞こえる限り走った。


ドドドドド


走っても走っても足音が遠くにならない、むしろどんどん近づいてくる。

怖くて後ろを見れなかった。


ドドドド


ブンッ


首に風を感じた。その後、チッと舌打ちが聞こえる。


はぁはぁ・・・、限界だもう走れない。


俺は走るのを辞め、後ろを向いた。

般若のディナミスが鎌を振り上げていた。


鎌を振り落とされる瞬間



うわぁぁぁぁぁぁ



目が覚めた。



乱れた呼吸を整え、汗で濡れた額を拭う。

全身びちゃびちゃになっていた。


寝る前までは最高だったが、今は最悪だ。

ミレイちゃんとのデート当日、最高の朝のはずが最悪な形で一日がスタートした。


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